国際銅研究会(ICSG)2026年10月プレスリリース

国際銅研究会(ICSG)2026年10月プレスリリース

2025年10月14日
日本鉱業協会 企画調査部

 

国際銅研究グループ(ICSG)は、10月13日~14日(現地時間)にポルトガルのリスボンで2026年秋季総会を開催し、世界の主要な銅生産国および消費国の政府代表と業界アドバイザーが参加、世界の銅需給状況について議論、10月14日付にて下記内容のプレスリリースが発表された。

 

1.2026年と2027年の世界の銅需給予測

1)銅鉱石生産

世界の銅鉱山生産は2026年に1.3%増加し、2027年には約3.1%の増加が予測される。

  • 2026年の世界鉱山生産の伸び率は、2026年4月時点のICSG予測における1.6%から1.3%へ下方修正された。これは主としてチリ、中国およびインドネシアの生産見通しが引き下げられたことを反映している。
  • 2026年の世界的な生産増加は主に、オユ・トルゴイ(モンゴル)、バツ・ヒジャウ(インドネシア)およびマルムィジ(ロシア)の各鉱山の立ち上げ増産、ジュロン(中国)およびスヴァイトゴル(ロシア)鉱山の拡張、アンタミナ(ペルー)の増産、コブレ・パナマにおける備蓄鉱石の処理、ならびに前年に操業制約を受けた他鉱山の生産回復によるものである。
    多くの国で生産増加が見込まれる一方、インドネシアおよびコンゴ民主共和国(DRC)における精鉱生産の減少により、その一部は相殺される見込みである。グラスベルグ鉱山およびカモア・カクラ鉱山では2025年に発生した事故の影響により引き続き生産制約が続いている。また、チリの鉱山生産も減少が見込まれる。
  • 2027年には約3.1%というより高い成長率が予測されている。これは複数国における新規・拡張能力の継続的な立ち上げ、チリおよびザンビアにおける生産改善、ならびにインドネシアおよびDRCにおける操業率回復の継続に支えられるものである。
  • 両年ともに、小規模な拡張案件や中小規模鉱山の新規操業開始も世界生産増加に寄与する見込みであり、特にアンゴラ、ボツワナ、ブラジル、DRC、エクアドル、エリトリア、フィリピン、ギリシャ、モンゴル、トルコおよび米国が挙げられる。

 

2)銅地金生産

世界の見かけ精製銅消費量は2026年に約1.5%、2027年に2.5%増加すると予測される。

  • 世界の精製銅生産は2026年に約0.4%、2027年に3.4%増加すると予測される。
  • 2026年の世界精製銅生産は0.4%の緩やかな増加が見込まれる。新設および増強能力の恩恵は継続するものの、精鉱供給の制約により一次電解精製銅生産は減少が予想され、その結果、SX-EWおよび二次原料(スクラップ由来)の生産増加効果の一部が相殺される。
  • 2027年の世界精製銅生産は3.4%増加すると予測される。これはインドネシア、インドおよびEUにおける製錬・精製設備の立ち上げ、チリにおける操業率改善、およびSX-EWと二次精製能力の拡張によるものである。
  • 一次精製銅生産(電解精製およびSX-EW)は約3%増加し、二次精製銅生産(スクラップ由来)は約4.7%増加すると予測される。

 

3)銅地金消費

世界の見かけ精製銅消費量は2026年に約1.5%、2027年に2.5%増加すると予測される。

  • ICSGは2026年の精製銅消費量の伸び見通しを、2026年4月予測と比較して若干下方修正した。主な要因は中東、北米およびEUの見通し引下げである。
  • 2026年の世界精製銅需要の伸び率は1.5%と予想される。中国の見かけ消費量は2.5%増加する一方、それ以外の地域では概ね横ばいと見込まれている。中国は現在、世界の精製銅消費量の59%を占めている。
  • 2027年の世界精製銅需要は2.5%増加すると見込まれる。これは世界経済成長の回復、複数国における伸銅品工場の新設・拡張計画、および中東地域における伸銅品工場の操業率改善見通しによるものである。
  • アジアは引き続き世界需要拡大の最大の牽引役となる見込みである一方、EUおよび日本を中心として他の主要銅消費地域の需要は引き続き低調と予測される。
  • 全般として、主要銅需要部門における製造活動の改善、エネルギー移行関連需要、都市化、デジタル化(データセンターおよびAI)ならびに複数国における新たな伸銅品生産能力の開発によって、世界需要は引き続き支えられると予想される。

 

4)世界の銅地金需給バランス

世界の精製銅需給バランスは、2026年に約10万4千トン、2027年に約36万8千トンの供給過剰になると予測される。

  • ICSGは、現在の中東紛争をはじめとする多くの要因によって世界市場の需給バランスが予測値から乖離する可能性があると認識している。近年においても、予見できなかった事象により実際の市場バランスがICSG予測から乖離した事例があった。
  • ICSGは世界需給バランスの算定にあたり、中国の見かけ需要を用いている。この計算では国家備蓄局(SRB)、生産者、消費者、商社・トレーダーおよび保税在庫などの未報告在庫変動を考慮していない。これらの在庫変動は積み増しまたは取り崩し局面において大きな影響を及ぼし、世界の需給バランスを大きく変化させる可能性がある。中国の見かけ需要は、生産量、純輸出入およびSHFE在庫変動のみを基礎として算定されている。
  • 2026年の供給過剰は約10万4千トンと見込まれ、2026年4月予測の9万6千トンをやや上回る。
  • ICSGは2027年の供給過剰を約36万8千トンと予測しており、2026年4月予測と概ね一致している。

 

銅地金需給予測

 

2. ICSGの次回総会日程

国際銅研究会の次回会合は2027年4月にリスボンで開催される予定である。

以上

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