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2023-05-30

会員専用ページ「統計」資料を最新のものに更新しました。

 

 

国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)2023年4月総会報告 (プレスリリース)

2023-05-09

国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)2023年4月プレスリリース

2023年5月9日
日本鉱業協会 企画調査部

 2023年の春季国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)総会は4月26日にポルトガル リスボンにて開催された。

 

需給予測

1. 2023年鉛概況

1)鉛消費

  • 世界の鉛地金消費量は、2022年比1.7%増の1,253万トンと予測。
  • 2022年のヨーロッパでの消費量は、1.9%減少した。オーストリア、ポーランド、ロシア連邦、スペイン、ウクライナでの減少が主な要因。2023年は、イタリアの需要が減少するものの、ヨーロッパ全体としては0.4%微増する見込み。
  • 中国の鉛地金消費量は、2022年0.9%増、2023年にはさらに0.7%増加すると予測。また、インド、日本、韓国、メキシコ、米国でも消費増が見込まれる。

 

2)鉛生産

  • 世界の鉛鉱石生産量は、2022年比2.8%増の456万トンになる見込み。オーストラリアでガレナマイニング社が年産9万5千トンのアブラ鉱山の操業を1月に開始し、大幅な増産が見込まれるためである。また、中国、インド、カザフスタン、メキシコでもさらなる増産が見込まれている。
  • 世界の鉛地金生産量は、2022年比2.8%増の1,251万トンになる見込み。主な要因は、ドイツのトラフィグラ社 ストルベルグ製錬所が2021年に洪水により閉鎖された後、最近操業が再開されたことによる増産である。
  • オーストラリア、インド、カザフスタン、韓国、メキシコ、台湾(中国)、アラブ首長国連邦では、新たな製錬所の操業開始が予定されており増産予測。しかし、これらの増産は、ブルガリアとイタリアでの減産により部分的に相殺される見込み。

 

3)鉛地金需給バランス

 各国から得た直近の情報を考慮し、世界の鉛消費は2023年で2万トン消費が生産を上回る見込み。

 

2.2023年の亜鉛概況

1)亜鉛消費

  • 世界の亜鉛地金の消費量は、2022 年に3.9%減少、2023 年には2.1%増加し、1,380 万トンになる見込み。
  • 中国での亜鉛地金消費は、2022 年4.9%減少、2023 年2.1%の増加が予測されている。
  • その他の地域では、インド、韓国、トルコ、米国で増加するものの、欧州では0.5%の減少が予測される。

 

2)亜鉛生産

  • 世界の亜鉛鉱石生産は2022 年に2.5%減産の後、2023 年は3.0%増産の1,286 万トンになると見込まれる。これは主にオーストラリア、インド、ブラジル、カザフスタン、メキシコ、南アフリカ、米国での増産による。
  • ブルキナファソとカナダの亜鉛鉱石生産は、2022 年に鉱山閉山が重なった結果、2023 年は減産になると予測される。中国では、2022 年に2.3%減産、2023 年には1.5%増産と見込まれている。
  • 2023 年の欧州の亜鉛鉱石生産は、2022 年に拡張が完了したルンディン・マイニング社のネヴェス コルボ鉱山の増産があったポルトガルとアイルランド、スウェーデンでの増産による。ボスニア・ヘルツェゴビナでは、アドリアティック メタルズ社が2023 年後半に新規操業開始を予定している、年産3 万8 千トンのヴァレス鉱山がさらに増産すると予測されている。
  • 世界の亜鉛地金生産量は、2022 年に3.8%の減、2023 年には3.1%増の1,376 万トンになると予測している。
  • 中国の亜鉛地金生産量は、2023 年に4.0%増の見込み。オーストラリア、カナダ、インド、カザフスタン、メキシコでは増産、日本と韓国では減産。
  • ヨーロッパでの地金生産は、エネルギー価格の高騰により多くの製錬所で大幅な減産が行われたことなどから、2022 年に11.4%減産した。しかし、2023 年の生産量は、エネルギー価格の下落と、2022 年に休止した製錬所の大半の操業を再開する見込みで、2.3%の増産と予測される。

 

3)世界の亜鉛地金需給

世界の亜鉛地金需給バランスについては、2023 年に世界の需要が4 万5 千トン供給を上回ると予測している。
プレスリリースの詳細については、ウェブサイトwww.ilzsg.org にアクセスするか事務局宛てにお問い合わせください。

 

以上

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国際銅研究会(ICSG)2023年4月総会報告 (プレスリリース)

2023-05-09

国際銅研究会(ICSG)2023年4月総会報告

2023年5月8日
日本鉱業協会 企画調査部

 

2023年の春季国際銅研究会(ICSG)総会は、4月27日及び28日(現地時間)にポルトガルのリスボンにて行われ、加盟国政府代表及び業界の代表者が会議に参加した。日本からは政府代表に加えて数名の業界関係者が参加した。4月28日付けでプレス発表された世界の銅需給見通しは次の通りである。

 

1.2023年と2024年の世界の銅需給予測(添付 世界 銅需給総括表:ICSGプレスリリース参照)

1)銅鉱石生産

世界の銅鉱石生産量は、2023年で3.0%、2024年で2.5%増加と予測。

  • 今回の予測では、2022年10月のICSG予測増加率の5.0%から3.0%へ下方修正された。この下方修正は、鉱山の操業低下、地理的要因、悪天候や地滑り、数か国での鉱山会社の生産計画変更、ペルーでの地域住民の反対運動が原因。
  • しかしながら、2023年の世界の銅鉱石生産はコンゴ民主共和国、ペルー、チリをはじめとする国々での新規鉱山操業開始と既存鉱山の拡張の追い風を受け、増産が見込まれる。また、2022年初頭では、依然としてCOVID-19に関する諸制限があったため、比較して多くの国々での操業回復が見込まれる。
  • 2022年から2023年に新規操業開始・拡張する主要プロジェクトは、DRコンゴのカモア・カクラとテンケ・フングルメ、ペルーのケジャベコ、トロモーチョ、チリのケブラダ・ブランカ2、等の鉱山である。また、いくつかの中小銅鉱山も新規操業開始・拡張による増産見込みである。この期間に開始するプロジェクトのほとんどは、銅精鉱を産出する鉱山(SX-EWではない)である。
  • 2023年に新規操業開始・拡張した鉱山の生産が、全体の銅鉱石増産に寄与するものの、2024年に新規操業開始・拡張予定の主要プロジェクトについては、その開始が年の後半になると予測されるため、2024年の増加率は2.5%と予測される。

 

 

 

2)銅地金生産

世界全体の銅地金生産量は、2023 年に2.6%、2023 年に4.4%増加と予測。

  • 2023 年の銅地金生産量は、チリ、インドネシア、米国での製錬所の生産障害、定修による制限を受ける見込み。
  • 2023 年及び2024 年の世界の銅地金生産量の増加は、主に中国の製錬所の電解工程設備増強による増産による。
  • 世界の銅精鉱産の銅地金生産は、新規鉱山の操業開始・既存鉱山の拡張による増産により、引き続き増加すると予測される。
  • SX-EW 由来の銅地金の増産は、コンゴ民主共和国の設備の新設・増強によるもの。
  • スクラップ原料産の銅地金生産量は、二次原料処理を行う精錬所の設備増強により2023年2024 年で増産となる見込み。

 

 

3)銅地金消費

世界の銅地金見掛消費量は、2023 年に約1.4%、2024 年に約2.8%増加と予測。

  • 中国におけるゼロコロナ政策後の経済活動の再開、中国以外の地域での2022 年の需要減退からの回復、2024 年の経済成長の改善により、2023 年、2024 年の銅地金消費量は増加する予測。
  • 世界の経済指標は厳しいものの、銅の最終消費分野での生産量は持続的に増加していく見込みが示されている。
  • 2022 年、0.4%の増加にとどまった中国以外の世界の銅地金消費量は、2023 年には1.6%増加し、COVID-19 感染拡大以前の水準を超えると予測。2023 年には3.0%程度の増加が見込まれる。
  • 中国の銅地金見掛消費量は、2023 年に1.2%、2024 年に2.6%増加する予測。コンサルタントが推定する中国の実質的な需要の伸びは、両年とも2.5%から2.9%の間。
  • 銅は経済活動、特に現代の技術社会において不可欠である。加えて、主要国におけるインフラの拡充と、クリーンエネルギーと電気自動車の普及という世界的トレンドが、長期にわたる銅需要増加要因となるだろう。

 

4)銅地金需給バランス

世界の銅地金需給予測は、2022 年には約11 万4 千トン消費が生産を上回り、2023 年には約29 万8 千トン生産が消費を上回る見込み。

  • ICSG は、グローバル市場のバランスは様々な需給要因により変化するものであると認識している。そのため、予見できない要因により、実際の需給がICSG の予測から逸脱することは起こりうる。
  • ICSG は、グローバルな市場需給予測の際に、未報告である種々の中国の在庫(国家備蓄、生産者、消費者、貿易業者、保税区域)の増減は考慮に入れていない。これらの在庫は、在庫積み増しや、放出によっては世界の需給を大きく変える要因である。なお、中国の見掛け消費量は(生産+輸入−輸出+/+SHFE 在庫増減)によって算出している。
  • ICSG は2023 年の予測について、中国の銅地金消費予測が2022 年10 月の前回予測の15万5 千トンの余剰から、今回予測の11 万4 千トンの不足へと修正しています。2024 年については、銅地金増産の影響を受け、29 万8 千トンの余剰が予測されています。

 

2. ICSGの次回総会日程

2023 年10 月3 日、4 日にポルトガル リスボンにて実開催予定。

 

 

以上

 

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国際ニッケル研究会(INSG)2023年4月総会報告(プレスリリース)

2023-04-28

国際ニッケル研究会(INSG)2023年4月総会報告

2023年4月28日
日本鉱業協会企画調査部

2023年の春季国際ニッケル研究会(INSG総会は、4月24日及び25日にポルトガルのリスボンで開催され、加盟国の政府や業界、国際機関などの関係者が参加した。4月26日付けで発表されたプレスリリースは次のとおりである。

1 2023年の世界のニッケル市場

世界経済はCOVID19感染拡大による低迷から徐々に回復し、ウクライナ紛争による影響も改善しつつある。また、中国はゼロコロナ政策を終了し、景気は回復傾向にある。エネルギーの供給制約の緩和と多くの中央銀行による金融引き締め政策がインフレ率を低下させているが、それらの政策は同時に金融業界へ悪影響を及ぼすこととなった。

国際ステンレス鋼協会旧ISSFの発表によると、2022年のステンレス鋼の生産量は、2021年比5減の5530万トンであった。

2023年については、中国の新エネルギー自動車(NEV)に対する購入補助金廃止の影響は出るものの、ステンレス鋼向け需要の緩やかな回復と電気自動車(EV)バッテリー向け需要の増加が引き続き見込まれる。

インドネシア政府は、2020年1月より未加工のニッケル鉱石輸出を禁止した。その結果、中国はNPIニッケル・ピッグ・アイアン)用の鉱石原料不足になったため、中国のNPI生産量は減少した。NPI生産は、引き続きインドネシアで増加し、中国では減少する。また、インドネシアのNPI生産は、一部がニッケルマットに切り替わると見込まれる。インドネシアでは、MHPニッケル・コバルト混合水酸化物)を生産する目的でHPALプロジェクト(高圧酸化浸出プロセス)が進められており、今後も生産量が拡大する見込みである。2023年3月には初の硫酸ニッケルプロジェクトが建設を開始した。

世界の新産ニッケル生産量は、2021年は2610万トン、2022年は3060万トンで、2023年は337.4万トンに達すると予測した。ただし、生産中止等の事態は含まれていない。

世界の新産ニッケル消費量は、2021年は 2 77.9万トン 、2022年は2955 万トンで 、2023年は313.4万トンに増加すると予測し た 。

したがって、2021年は16.9万トン消費が生産を上回り、2022年は10.5万トン生産が消費を上回ったが、2023年は23.9万トン生産が消費を上回る見込みである。歴史的に見ると、ニッケルの需給はLMEで取引されるクラスⅠニッケルの生産量に由来していたが、2023年はクラスⅡニッケルや硫酸ニッケルを主としたニッケル化合物の生産量に起因した需給バランスとなる。

2 統計委員会

統計委員会では、一連の発表と議論を通じて、統計に関する建設的な意見を収集した。

安泰科(中国)のチーフアナリストであるシュウ・アイドン氏は、「中国とインドネシアのニッケル産業」に関する分析を発表した。

ベルギーに本部を置く国際ステンレス鋼協会の経済・統計・製品担当ディレクターのカイ・ハーセンクレバー氏は、「ステンレス鋼市場の見通し」についてプレゼンテーションを行った。

3 産業関係者討議(IAP)

世界のニッケル生産、消費、リサイクル業界の代表者で構成される産業関係者討議(IAP)においても、貴重な情報が提供された。

メタ・ニッケル・コバルト(トルコ)のプロジェクト管理担当部長であるオヌール・ビロル氏は、同社の「ゴルデス・プロジェクト」に関する最新情報を説明した。

ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンス(英)の価格・データ・指標担当部長のダニエル・フレッチャー・マニュエル氏は、「リチウムイオン電池材料2023年とその後の伝達機構と原動力の視点で」についてプレゼンテーションを行った。

グレンコア(スイス)のマーケティング部長であるディミトリー・クズネツォフ氏は、グローバル・バッテリー・アライアンスが立ち上げた世界初の「バッテリーパスポートへの参加」に関する説明を行った。

4 環境経済委員会

環境経済委員会では、ニッケルに関する経済的な問題や動向、環境、健康、安全に関する規制の変更など、幅広いテーマの議論が行われた。

ニッケル・インスティテュートのH&E公共政策担当部長であるヴェロニク・ストゥーカース博士は、「ニッケルのライフサイクル」に関する分析を発表した。

CRU(英)の製錬資産アナリストのジェームズ・バーチ氏は、「ベースメタルに関するCRU社の炭素排出モデル」について説明を行った。

ユーロメタックス(ベルギー)のエネルギー・気候変動担当ディレクターであるアディーナ・ジョルジェスク氏は、「欧州の金属事業におけるエネルギーコストの影響」についてプレゼンテーションを行った。

5 合同研究会セミナー

国際ニッケル研究会、国際鉛亜鉛研究会、国際銅研究会の合同セミナー「ベースメタル採掘への投資促進」を2023年4月26日午後に開催する。

6 INSGの次回総会日程

2023年10月に開催予定。

講演者が発表したプレゼンテーションは、INSGのウェブサイトに掲載する。詳細については、事務局まで問い合わせいただくか、ウェブサイトwww.insg.orgにアクセスしてください。

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国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)2022年10月プレスリリース

2022-11-01

国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)2022年10月プレスリリース

2022年10月31日
日本鉱業協会企画調査部

 

2022年の秋季国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)第67回総会は10月20日及び21日にポルトガル リスボンにて開催された。

このセッションは、ILZSGの統計委員会は現在の需給状況と2023年の見通しを含む。

常任委員会、鉱山製錬プロジェクト、経済・環境委員会、産業関係者討議(IAP)も併せて行われた。亜鉛と鉛の現在の世界需給と2023年の概況の見通しについて発表がなされた。同様に、経済・環境委員会も行われた。それぞれの委員会において、世界の亜鉛、鉛のトレンドや問題点についての有益な情報を伝えるプレゼンテーションが行われた。

需給予測

1.2022年及び2023年鉛概況

1)鉛消費

  • 世界の鉛地金消費量は2021年に4.6%増加した。2022年には0.8%増加し1,242万トン、2023年に1.4%増加し1,260万トンになる見込み。
  • 2022年の中国での鉛地金消費量は0.3%増加見込み。COVID-19への対応を含む中国政府の施策が、鉛地金需要のうちの自動車分野の需要減に繋がったためである。しかしながら、この需要減の一部は鉛バッテリーの輸出によって相殺された。2023年には、中国での鉛地金消費量は1.1%増加の見込み。
  • 2022年の欧州の鉛地金消費は、ポーランド、ロシア、ウクライナでの減少の結果0.5%減少見込み。2023年はイタリアでの大幅減少が主な原因となり、2022年の減少から更に1.0%の減少予測。
  • 米国での鉛地金消費は2022年の4.0%増加、2023年では増減なしの見込み。その他の地域については、インド、日本、メキシコでの消費増加を見込んでいる。

2)鉛生産

  • 2022年の世界の鉛精鉱生産は、前年とほぼ変動なしの456万トン、2023年には2.7%増加し468万トンとなる見込み。中国では2022年に0.4%、2023年に1.5%増加する見込み。
  • 2022年の鉛精鉱生産では、ブラジル、インド、メキシコ、パキスタン、スウェーデンで増加するが、オーストラリアでの減産が相殺する見込み。減産は、ギリシャ、カザフスタン、ペルーでも見込まれる。
  • 2023年の世界の鉛精鉱生産は主にブラジル、インド、カザフスタンと、年産9万5千tの生産能力のあるガレナ社アブラ鉱山の第一四半期に操業開始を予定するオーストラリアの増産によってプラスになる。
  • 鉛地金生産は2022年0.3%減少し1,234万トン、2023年には1.8%増加し1,256万トンになる見込み。
  • 2022年の鉛地金生産量はロシア、ウクライナ、ドイツで減産になる。ドイツでは、ストルベルグ製錬所の再開が遅れている。合計年産8万トン地金生産能力を持つ2つの二次製錬所が停止しているイタリアでも減産見込み。同様に、韓国、トルコ、米国、オーストラリアでも減産見込み。オーストラリアでは、ニルスター社ポートピリー製錬所が第四四半期に2か月の定修を予定している。
  • 2023年には鉛地金生産はオーストラリア、ドイツ、インドと新製錬所が稼働開始予定のUAEの増産がある見込み。しかし、イタリアでは相当量の減産が見込まれている。

3)鉛地金需給バランス

 各国から得た直近の情報を考慮し、世界の鉛消費は2022年で8万3千トン消費が生産を上回る見込み。2023年には4万2千トン消費が生産を上回る見込み。

2.2022年及び2023年の亜鉛概況

1)亜鉛消費

  • 世界の亜鉛地金の消費量は、2022年は1.9%減少し1,379万トン、2023年には1.5%増加し1,399万トンになる見込み。
  • 2022年の中国の消費は3.3%減少する見込み。これは主に、COVID-19の感染再拡大を防止する政策を行った結果、亜鉛の最大の消費部門が影響を受けたためである。2023年には2022年1.2%増加見込み。
  • 2022年のヨーロッパの消費は3.1%減少する見込み。主にイタリア、フランス、ロシア、ウクライナの需要減少が要因。その他地域では日本、韓国、トルコで減少する一方、インド、メキシコ、サウジアラビア、南アフリカ、台湾(中国)、米国での増加が見込まれている。
  • 2023年の消費は、インド、日本、韓国、メキシコで増加見込み。欧州と米国では増減なしの見込み。

2)亜鉛生産

  • 2022年の世界の亜鉛精鉱生産は0.9%減少し1,268万トン、2023年は2.7%増加し1,303万トンになると見込まれる。
  • 2022年の亜鉛精鉱生産はオーストラリア、ペルー及び洪水被害により4月に操業を停止したペルコア鉱山を有するブルキナファソでの大幅な減産となった。カナダでの減産も相当量で、主にトレヴァリマイニングのカリボー鉱山の操業停止、マタガミ、777鉱山の鉱石枯渇による閉山が主因である。
  • 2022年の亜鉛精鉱生産は中国、アイルランド、ギリシャ、ナミビアで減産となる。インド、パキスタン、南アフリカ、米国と、ルンディン・マイニング社のネベス・コルボ鉱山の年産8万トンの拡張が最近完了したポルトガルで増産が見込まれている。
  • 2023年の亜鉛精鉱生産は、ブラジルで最近操業を開始したネクサリソーシスのアリプアナ鉱山における増産の主な要因となると見込まれている。増産は、オーストラリア、アイルランド、メキシコ、ペルー、ポルトガルと、ヒンドゥスタンジンクの鉱山の更なる拡張が予定されているインドでも見込まれている。しかしながら、カナダ、米国では減産が見込まれている。
  • 2022年の世界の亜鉛地金生産は、2.7%減少の1,349万トンになると見込まれている。減産理由はヨーロッパでの生産の大幅な減少が主因である。2023年には、世界の亜鉛地金生産は2.6%増加の1,384万トンになると見込まれている。
  • 2022年のヨーロッパでの亜鉛地金生産は、12%の減少となる見込み。これはエネルギー価格の急上昇により一部製錬所がかなりの減産を行ったことが主な原因。ニルスター社は年産30万トンのオランダのブーデル製錬所を9月に停止し、グレンコア社は最近ドイツ ノルデンハム製錬所の一時閉鎖を発表した。イタリアでは、グレンコア社のポルトベスメ製錬所の生産が2022年1月から停止している。フランスではニルスター社のオービー製錬所の操業が年初で二か月停止した。加えて、ベルギーのバレン製錬所、スペインのアストゥリアナ製錬所、スペインの局所において日中の電力価格ピーク時に生産を縮小する。
  • 2022年の亜鉛地金生産の減産はブラジル、中国、カザフスタン、メキシコと、9月にハドベイ社フリンフロン製錬所の閉鎖があったカナダにおいても見込まれている。一方、インド、韓国においては増産が見込まれている。
  • 2023年の世界の亜鉛地金生産は、3.8%の大幅な増産を見込む中国の影響を受ける見込み。増産は、オーストラリア、インド、カザフスタン、メキシコと、最近新しい製錬所が操業を開始したトルコでも見込まれている。

3)世界の亜鉛地金需給

  • 各国からの情報を考慮し、世界の亜鉛需要は2022年に29万7千トン需要が生産を上回る。2023年に15万トン需要が生産を上回ると予測する。

 

 プレスリリースの詳細については、ウェブサイトwww.ilzsg.orgにアクセスするか事務局宛てにお問い合わせください。

 

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国際ニッケル研究会(INSG)2021年10月総会報告

2021-10-08

国際ニッケル研究会(INSG)2021年10月総会報告

2021年10月7日
日本鉱業協会企画調査部

2021年の秋季国際ニッケル研究会(INSG)総会は、10月1日及び4日にポルトガルのリスボンを基点としてWeb会議にて開催され、加盟国、国際機関などから官民合わせて60人を超える関係者が参加した。10月6日付けで発表されたプレスリリースは次のとおりである。

1 2021年及び2022年の世界のニッケル市場

2021年はCOVID-19ワクチンの接種が広がり、地域によって差はあるものの世界的に経済指標の回復が進んだ年となった。2022年も引き続きプラス成長が見込まれている。政府と業界の参加者は、会議においてニッケル市場の動向について広範囲に議論を行った。

国際ステンレス鋼フォーラム(ISSF)の発表によると、2021年1~3月のステンレス鋼の生産量は、2020年1~3月比24.7%増の1,450万トンであった。2021年通年では、中国での減産の可能性が報じられているものの、大きく増加する見込みである。2022年についてもさらなる増加が見込まれている。電気自動車生産量の増加は、バッテリーに硫酸ニッケルを使用していることから、引き続きニッケル需要にプラスの影響を与える。

インドネシア政府は、2020年1月より未加工のニッケル鉱石輸出を禁止した。その結果、中国はNPI(ニッケル・ピッグ・アイアン)用の鉱石原料不足になったため、中国のNPI生産量は減少した。その反面、インドネシアにおける新規NPIプロジェクトは2020年に大幅に増加し、2021年及び2022年もこの傾向は続いていくとみられる。

世界のニッケル鉱石の生産量は、主にインドネシアの鉱石輸出禁止により2020年に減少したが、2021年は回復し、2022年は増加傾向が続くと予想される。インドネシアは国内のニッケル産業が拡大していることから、世界最大のニッケル生産国となっている。インドネシア及び他の地域で事業計画中のHPALプロジェクト(高圧酸化浸出プロセス)は、従来の硫化鉱ではなく酸化鉱を原料とするため、鉱石生産量はさらに増加することになる。

世界の新産ニッケル生産量は、2020年は249.1万トンであったが、2021年は263.9万トン、2022年は312.0万トンに達すると予測した。ただし、中国とインドネシアの生産量に関しては変動幅が大きく不確実である。また、生産中止等の要因を見据えた調整係数は含まれていない。

世界の新産ニッケル消費量は、2020年は238.4万トンであったが、2021年は277.3万トン、2022年は304.4万トンに増加すると予測した。したがって、2020年は10.7万トンの供給過多であったが、2021年は13.4万トンの供給不足、2022年は7.6万トンの供給過多になる。

2 統計委員会および産業関係者討議(IAP)

統計委員会、産業関係者討議(IAP)は合同会議となった。主な講演や関連した議論は以下のとおりであった。

オーストラリア及びベトナムで事業展開中のブラックストーン・ミネラルズのマネージング・ディレクターであるスコット・ウィリアムソン氏は、同社がベトナム北部で開発中の「ター・コア・ニッケルプロジェクト」についてプレゼンテーションを行った。

ベルギーに本部を置く国際ステンレス鋼フォーラム(ISSF)の経済・統計・製品担当ディレクターのカイ・ハーセンクレバー氏は、「世界のステンレス鋼市場の現状」についてプレゼンテーションを行った。

マイスチール(中国)のシニア・ニッケル担当アナリストであるベティー・サン氏は、「中国のニッケル需給の見通し」についてプレゼンテーションを行った。

3 環境経済委員会

環境経済委員会では、ニッケルに関する経済的な問題や動向、環境、健康、安全に関する規制の変更など、幅広いテーマの議論が行われた。

ニッケル・インスティテュートの政策分析担当シニア・マネージャーであるマーク・ミストリー博士及び市場開発担当アナリストのパルル・チャブラ氏は、「クリーンエネルギー技術におけるニッケルの役割」についてプレゼンテーションを行った。

ロー・モーション(英国)のマネージング・ディレクターであるアダム・パナイ氏は、「電池製造におけるニッケルの使用状況、電池・電気自動車分野でのニッケル需要の将来性に関するロー・モーション社の展望」についてプレゼンテーションを行った。

4 INSGの次回総会日程その他

2022年4月4日の週に開催予定。

講演者が発表したプレゼンテーションは、INSGのウェブサイトに掲載する。詳細については、事務局まで問い合わせいただくか、ウェブサイトwww.insg.orgにアクセスしてください。

以上

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本誌公表統計の一部改廃について(お知らせ)2

2021-03-11

本誌公表統計の一部改廃について(お知らせ)

2021年3月11日

日本鉱業協会

 平素より本誌の公表統計をご利用いただき、まことにありがとうございます。

 当協会では、経済産業省の需給動態統計、貴金属流通統計が2020(令和2)年12月分をもち廃止になったことを受け、関連公表統計の見直し作業を行って参りました。その結果、以下のように現行の公表統計を追加して改廃することと致しましたので、お知らせいたします。

  1. 主要非鉄金属貿易統計 (統合新設)
    これまでの「我が国の主要非鉄金属の国別・形態別輸入状況」の内容を見直し、精鉱輸入、地金輸出入に関する主要国別貿易状況をまとめた貿易統計表を公表します。英文併記として、和文、英文別の表掲載も統合します。
  2. 主要非鉄相場推移表 (統合新設)
    これまでの、「地金価格推移表」、「主要非鉄金属価格推移表(最高・最低)」、「銅・鉛・亜鉛価格表及び生産・内需推移」の3表を統合のうえ、直近の日次相場と、月次平均価格、国内建値を主要メタル別に表形式に編集した統計を公表します。
  3. 世界の需給関連統計の廃止
    「地域別鉱石、粗銅、銅地金生産及び銅地金消費」、「世界の亜鉛生産・消費・在庫統計」、「世界の鉛生産・消費・在庫統計」は、コンプライアンス上の懸念が発生したため公表を中止します。

 

 これらの改廃は、2021(令和3)年1月分の統計分から適用します。

以上

 

 

 

JMIA STATISTICS MODIFICATION NOTICE

March 10th, 2021

Dear readers

We thank you so much for your approach on our statistics.

We are pleased to notice our statistic policy additionally applicable on the report of January 2021 as described below. This is based on fundamentally METI’s abolishment of 2 governmental statistics of the Current metal supply demand report, and the precious metals flow report by December 2020. Our additional statistic tables are described as below.

  1. NON-FERROUS METALS TRADE STATISTICS ( Renewal )
    This table covers principal metals official trade statistics summary including concentrates import, primary metals import and export, instead of the former table of the import tables for non-ferrous metals in Japan by country etc.
  2. NON-FERROUS METALS PRICE TABLE ( Consolidated of former related tables)
    This table covers principal metals prices by daily and by monthly average through collecting and editing originally disclosed figures by JMIA, including Japan’s smelters producer price. This table replaces variety of former pricing related tables and charts by JMIA.
  3. Abolishment of global supply and demand summary
    We stop this disclosing service due to our revised compliance policy.

This notice is applicable on January 2021 statistics and thereafter.

Yours respectably

 

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本誌公表統計の一部改廃について(お知らせ)

2021-01-25

本誌公表統計の一部改廃について(お知らせ)

2021年1月25日

平素より本誌の公表統計をご利用いただき、まことにありがとうございます。

このたび、経済産業省の需給動態統計、貴金属流通統計が2020(令和2年)12月分を持ちまして中止になりました。当協会におきましても、これら2種類の統計利用を含めた現行の統計業務を見直しました。その結果、下記のように現行の公表統計を改廃することと致しましたので、お知らせいたします。

1. 改廃する統計と変更点
 1) 生産・出荷・在庫統計は廃止いたします。
 2) 需給実績表は、対象鉱種と公表項目を以下のとおり変更します。
  ① 銅、亜鉛、鉛、銀、スズについては、在庫、生産、出荷、輸出入につき月報ベースで統計を公表します。
  ② ニッケルについては、生産および輸出入の統計を公表します。
  ③ 金は、年報ベースで生産、在庫、出荷統計を公表します。
  ④ その他の鉱種についての統計公表を中止します。
  ⑤ ①から③の鉱種についても公表内容を変更し、原則として生産者側の統計公表となります。
  ⑥ 統計様式を一部改善します。また、英語版の統計表を和文版に合体し、和文英文併記の表とします。
 3) 2021(令和3)年1月分の統計公表から適用します。

2. その他の統計
上記以外の価格、貿易関連統計は現行どおり公表予定ですが、変更する場合には都度、お知らせいたします。

 

 

JMIA STATISTICS MODIFICATION NOTICE

January 25th, 2021

Dear readers

We thank you so much for your approach on our statistics.

We are pleased to notice our new statistic announcement policy applicable on the report ofJanuary 2021 as described below. This is based on fundamentally METI’s abolishment of 2 governmental statistics of the Current metal supply demand report, and the precious metals flow report by December 2020. We reviewed our currently statistic policy as appropriate, and decided to modify our statistics announcement.

1. Statistics tables in modifying
 1) Full cancellation of the JMIA statistic on production, shipment and inventory.
 2) Partial modification on the Supply and Demand report as described below.
  ① Monthly report available for copper, zinc, lead, silver and tin with items on stocks, production, shipment and trade in similar contents.
  ② Only production and trade monthly report is available for primary nickel.
  ③ Annual report is only available for gold on production, stock and shipment.
  ④ Full abolishment for any other metals.
  ⑤ Statistics content are based on producers’ figures due to the government statistic announcement change, including the above
    ①②③ contents.
  ⑥ Report formula is partially modified. One table is only announced by consolidating both Japanese and English items description.
 3) This notice is applicable January 2021 statistics and thereafter.

2. Other
Other statistics are available as they are, and we will notice additional statistic policy modification appropriately.

Yours respectably

 

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訂正とお詫び

2020-10-27

機関誌「鉱山」2020年10月号において、下記のように誤りがありました。
ここに深くお詫びし、訂正させていただきます。

P.13 タイトル行
誤) 2021(令和3)年度鉱山・火薬類保安関連予算
正) 2020(令和2)年度鉱山・火薬類保安関連予算

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国際研究会報告記事の変更

2020-10-21

国際研究会報告記事の変更

 

 国際銅研究会(ICSG)、国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)、国際ニッケル研究会(INSG)の総会報告につき、2020年10月開催分より記事の掲載タイミングと内容を以下のように変更します。

 

  1. プレス発表後1週間以内を目途に、鉱山誌の新着情報欄に、各研究会より発表される世界の需給予測を中心としたプレス発表ベースの総会報告や参加報告を掲載します。

 

  1. 総会開催月の翌月の機関誌「鉱山」誌上に、これまでと同様に、詳細データや統計以外の委員会報告などを含む包括的な報告を掲載します。

 

以上

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