国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)2026年10月プレスリリース

国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)2026年10月プレスリリース

2026年10月20日
日本鉱業協会 企画調査部

国際鉛亜鉛研究グループは、2026年10月15日~16日(現地時間)にリスボンで秋季総会を開催し、鉛・亜鉛の世界的な需給の現状と2027年の見通しについて検討し、10月19日付にて以下内容にてプレスリリースが発表された。

1 2026年および2027年の鉛の見通し

1)鉛需要

  • 世界の精製鉛需要は、2026年に1,379万トン(前年比0.9%増)、2027年に1,392万トン(同1.0%増)となる見通しである。
  • 欧州需要は2026年に1.3%増加すると予測される。ドイツ、ギリシャ、ポーランド、スロベニアおよびスペインにおける見掛け消費増加が、フランスおよび英国の減少を上回ることが主因である。
  • ブラジル、インド、インドネシア、メキシコおよび米国でも需要増加が見込まれる一方、韓国およびトルコでは減少すると予測される。
  • 中国では交換用バッテリー市場の需要は堅調であるものの、鉛蓄電池輸出および自動車生産の減少により、2026年の鉛需要の伸びは0.2%にとどまる見込みである。
  • 2027年には、欧州、インドおよび米国で需要増加が続く一方、中国および韓国では減少すると予測される。

 

2)鉛生産

  • 世界の鉛鉱山生産は2026年に444万トン(2.8%減)となる見通しであり、2027年には458万トン(2.9%増)へ回復すると予測される。中国でも同様の傾向が見込まれ、2026年に1%減少した後、2027年には4.1%回復すると見込まれる。
  • 欧州の鉛鉱山生産は、ロシアおよびスウェーデンの減産により減少する見通しである。スウェーデンのガルペンベルグ鉱山では地震活動の増加が生産を制約すると見込まれる。一方、ポルトガルではアルジュストレル鉱山における鉛・亜鉛回収の再開により増産が見込まれ、減少分の一部を相殺する。
  • ボリビア、キューバ、ペルー、南アフリカおよび米国でも減少が予測されるが、オーストラリアでは増産が見込まれる。
  • 2027年の世界供給の増加見通しは、主としてオーストラリアでの一段の増産によって押し上げられる。オーストラリアでは新たな設備能力が稼働開始する見込みで、欧州、ブラジル、インド、ペルーでも増加が見込まれる。ただし、キューバと米国では生産の減少が続く見通し。
  • 世界の精製鉛供給は2026年に1,388万トン(1.0%増)、2027年に1,408万トン(1.5%増)となる見込みである。
  • 2026年には、2025年に稼働開始した新たな二次製錬能力を背景に、インド、韓国、トルコおよびブラジルで精製鉛生産が増加する見込みである。一方、中国では減産が見込まれる。
  • 2027年には、インドおよび韓国で増産が続き、中国も回復する一方、欧州では小幅な減少が予測される。

 

3)鉛需給バランス

  • ILZSGは、加盟国からの最新情報を踏まえ、2026年の精製鉛市場は9万トンの供給超過、2027年は16万3千トンの供給超過になると予測している。

 

2 2026年および2027年の亜鉛の見通し

1)亜鉛需要

  • 世界の精製亜鉛需要は、2026年に1,402万トン(1.4%増)、2027年に1,419万トン(1.2%増)となる見込みである。
  • 中国では、2026年に1.8%増加した後、2027年の需要増加率は0.3%にとどまる見通しである。不動産投資は依然低迷し、インフラ投資および自動車生産も2026年前半に減少したが、製造品輸出の増加が産業活動を支えている。
  • 欧州需要は3年間の減少後、2025年に4.6%増加した。2026年は0.3%の緩やかな増加が見込まれ、ドイツ、イタリアおよびポーランドの増加がフランスおよび英国の減少を一部相殺すると見られる。直近のデータからは、EUの製造業生産がここ数か月でわずかに持ち直していることがうかがえる。ただし、インフレ圧力の再燃と金利上昇により、景気拡大への期待は抑えられている。
  • その他地域では、インド、韓国および米国で増加する一方、イラン、ペルー、台湾、中国、タイおよびアラブ首長国連邦では減少が予測される。
  • 2027年には欧州、インドおよび米国で需要増加が見込まれる。

 

2)亜鉛生産

  • 世界の亜鉛鉱山生産は、2025年に6.3%増加した後、2026年には1,240万トン(2.6%減)となる見込みであるが、2027年には1,278万トン(3.0%増)へ回復すると予測される。
  • 2026年には、ペルー、スウェーデン、米国で生産が減少すると見込まれる。主因は、それぞれアンタミナ、ガルペンベルグ、レッドドッグの操業で大幅な減産が見込まれるためである。さらに、2025年12月のレディ・ロレッタ鉱山の閉山を主な要因として、オーストラリアのほか、キューバとカザフスタンでも追加の減産が予想される。
  • これらの減少は、キプシ鉱山およびアルジュストレル鉱山の増産を背景とするコンゴ民主共和国およびポルトガルの増産によって一部相殺される見込みである。
  • 2027年には、中国の大規模新規能力の稼働が増産要因となる。ナミビアおよび南アフリカでもロシュ・ピナおよびガムズバーグ鉱山の拡張効果により増産が見込まれる。
  • 世界の精製亜鉛生産は2026年に1,393万トン(0.9%増)、2027年に1,421万トン(2.0%増)となる見込みである。
  • 2026年の世界的な伸びは、最近まとまった新たな精錬能力が稼働した中国での3.7%増がけん引するとみられる。中国以外では、精鉱の供給が限られることやエネルギーコストの上昇を背景に、生産は2%減少すると予測される。
  • 欧州の生産量は今年、大幅に減少する見通しで、カナダ、イラン、カザフスタン、メキシコ、ペルーでも一段の落ち込みが予想される。ただし、これらの減少分は、ブラジル、インド、韓国での増産によって一部相殺される見込み。
  • 2027年は、精鉱の供給がより潤沢になることで世界の生産が押し上げられ、カナダ、日本、カザフスタン、ペルーで増加が見込まれる。ノルウェーでも、ボリデンがオッダ製錬所の拡張を完了したことから増産が予想され、さらにロシア連邦では、チェリャビンスク州で新設のヴェルフニ・ウファレイ製錬所の稼働開始が控えていることが、生産増の要因になる見通し。

 

3)亜鉛需給バランス

  • 世界の精製亜鉛市場は2026年に8万8千トンの供給不足となるが、2027年には2万5千トンの供給超過になると予測される。

 

3 その他

本プレスリリースで取り上げた内容の詳細は、ILZSGのウェブサイト(www.ilzsg.org)をご覧いただくか、事務局までお問い合わせください。

 

以上

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