ブックタイトル鉱山2020年11月号

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概要

鉱山2020年11月号

政国策際動情向報国際銅研究会(ICSG)2020年10月総会報告日本鉱業協会企画調査部2020年の秋季国際銅研究会(ICSG)総会は,10月14日と15日にポルトガルのリスボンを基点としてWeb会議にて行なわれ,加盟国からの政府および業界の代表者などが会議に参加した。日本からは政府代表に加えて数名の業界関係者が必要に応じてオンライン会議に参加した。10月19日付けでプレス発表された世界の銅需給見通しは次のとおりである。1 2020年と2021年の世界の銅需給予測(添付の需給総括表参照)1)銅鉱石生産世界の銅鉱石生産量は,2019年実績は2,053万トンだったが,2020年は1.5%減の2,022万トン,2021年は4.6%増の2,115万トンになると予測した。・2019年の減少はインドネシアの銅鉱山の操業不調などによるものだったが,2020年の減少はCOVID-19感染拡大の影響によって,チリを除くペルーや多くの国での一時的な鉱山の操業停止が要因である。今回の2020年の鉱石生産量予測は,前回2019年10月に発表した予測を70万トン下回った。・2021年の銅鉱石生産量は4.6%の増加を予想しているが,これは今後のCOVID-19感染拡大防止対策の対応に左右される。2020年のCOVID-19感染拡大からの回復や鉱山の新たな操業,拡張,大規模プロジェクトの立ち上げなどによって増加すると予測している。2)銅地金生産世界の銅地金生産量は,2019年実績は2,405万トンだったが,2020年は1.6%増の2,443万トン,2021年も1.6%増の2,482万トンになると予測した。・2020年はインド他における製錬所の操業停止とCOVID-19感染拡大の影響によりベルギー,ブラジル,インド,米国などで生産量が減少する。しかしながら,2019年に設備増強のため製錬所を一時操業停止していたチリやザンビアの銅地金生産は大幅に回復する。コンゴ民主共和国の生産も引き続き増加すると予想される。・中国は,COVID-19感染拡大の影響による操業停止,スクラップ供給の逼迫,精鉱供給の減少,硫酸市場の供給過剰などにより,年初に減産となったため当初の予想を下回ることが見込まれる。・2020年の地金生産量は,前回2019年10月より85万トン減と予測。・スクラップその他原料由来の銅地金生産量は,COVID-19感染拡大に伴うスクラップの生産,回収,加工,輸送の減少に伴う不足により,2020年は5.5%の減少が見込まれている。また,SX-EWの生産量は,主にラテンアメリカでの生産量減少により3%の減少を見込んでいる。それと対照的に,精鉱産銅地金生産は4.5%の増加が見込まれる。・2021年の新地金銅生産量は,鉱山生産量の伸びが少ないため増加は限定的と予想される。しかしながら,SX-EWの生産はコンゴ民主共和国の増産と米国での新規製錬所の操業開始により回復すると予想される。鉱山第789号2020年11月-2-