ブックタイトル鉱山2020年11月号

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概要

鉱山2020年11月号

いたが昨年はほぼ10年ぶりに4.6%減となった。2020年はフランス,ドイツ,ノルウェー,ポーランド,ロシア,スペインの減少でさらに7.7%減となったが,2021年は6.5%増に回復するとみられる。オーストラリア,インド,日本,韓国,台湾,米国を含むその他の多くの国でも需要が減少したが,この世界的な需要減少は2021年には多くの国で解消すると見込んでいる。(2)供給2020年の亜鉛鉱山生産量は,2019年比4.4%減の1,233万トンとなるが,2021年には回復して2020年比6.6%増の1,314万トンになる見通しである。2020年は多くの国の亜鉛鉱山がCOVID-19の蔓延によるロックダウンの影響を受けた。特にボリビア,メキシコ,ペルーといったラテン・アメリカ諸国は今年前半に大幅な減産に追い込まれたうえ,操業再開にも時間がかかり生産の回復が難航した。カナダのラングロイス鉱山が2019年12月に閉山し,2020年第1四半期にシルバートップ鉱山,カリブー鉱山,ナミビアのスコーピオン鉱山が休止,米国のTeck社のペンドレー鉱山が2019年7月に休止したことも,減産に影響していると思われる。中国,フィンランド,カザフスタン,スウェーデン,トルコも減産すると予想される。一方,オーストラリア,南アフリカ,ヒンドスタンジンクが拡張工事を終えるインドは増産するとみられる。2021年には,亜鉛鉱山生産量はほぼすべての国で回復するものの,規模の大きい亜鉛鉱山の閉山があったナミビアとポーランドでは減少が続くものと予測した。亜鉛地金生産量は,2020年は2019年比で0.9%増の1,360万トンと予測した。2020年の増加要因は,中国での1.6%増をはじめ,オーストラリア,カナダ,フランス,イタリア,インド,米国における増産である。米国では,2019年3月にノース・カロライナ州ムアーズ・ボロに立地する二次原料使用のアメリカン・ジンク社の製錬所が再開したことが増産に寄与している。一方,日本,ペルー,Vedanta社のスコーピオン製錬所が今年4月に休止したナミビアは減産と予想している。2021年は中国,インド,米国が2020年に続いて増産基調であることに加えて,日本,メキシコ,ペルーの亜鉛製錬所が増産予定であり,2020年比2.9%増の1,399万トンと予想した。(3)需給バランス世界の亜鉛需給バランスは,2020年は62万トンの供給過剰,2021年も46.3万トンの供給過剰になると研究会は予測している。以上鉱山第789号2020年11月-14-