ブックタイトル鉱山2020年11月号

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概要

鉱山2020年11月号

OECD投資部門政策アドバイザーMr. Luis Marechal(3)鉛産業の最近の動向ILA常務理事Dr. Andy Bush(4)鉱物・金属分野への投資評価において考慮すべき事柄英国国教会規律・社会関係担当DirectorMr. Adam Matthews(5)経済・環境委員会の活動計画経済・環境部門DirectorMr. Jianbin Meng3.常任委員会(10月19日開催)4.総会(10月19日開催)大会後発表されたプレスリリースによれば,鉛と亜鉛の需給見通しは次の通り。1.鉛の需給(1)需要2020年は世界の鉛需要は6.5%減の11.39百万トンになるとみられ,2021年は4.4%増の11.89百万トンになると予想している。中国での鉛需要は自動車の販売減を電動バイクと鉛蓄電池が一部巻き返し,全体では1.6%減少すると予測される。2021年は中国の需要は0.4%増になるとみられる。COVID-19によるロックダウンに伴う自動車販売とバッテリー交換需要の減,自動車関連工場の休止などの影響により2020年のヨーロッパの鉛需要は9.7%減,米国で7.5%減少すると予測している。2021年は鉛地金の使用量がヨーロッパで7.9%,米国で2.6%回復すると予測した。(2)供給世界の鉛鉱石供給は2020年は4.7%減の4.50百万トンに減少するが,2021年は4.8%増の4.72百万トンに回復するとみられる。中国では2020年は0.5%の減少にとどまり,2021年は1.0%増に回復するとみている。COVID-19の影響でボリビア,メキシコ,ペルー,南アフリカ等多くの国の鉱山が大幅減産となり,アルゼンチン,オーストラリア,カザフ,カナダも減産とみられる。2021年の鉱石供給は主にオーストラリア,ボリビア,インド,カザフ,メキシコ,ペルー,南アフリカでの増産により回復するが,ポーランドでは2020年12月にオルクシュ・ポモジャニ鉱山が閉山予定のため同国の鉛鉱石生産量は大きく減少する見込みである。2020年の世界の精製鉛の生産は4.3%減り11.66百万トンに減少。2021年は3.6%増の12.08百万トンに回復すると予想される。オーストラリアでは増産プロジェクトが操業開始となるものの,ベルギー,中国,韓国などの鉛地金生産量は減少すると予測している。カナダでは,2019年12月にベルドゥーン製錬所が閉鎖されたため減産,ドイツでも2019年7月にノルデンハム製錬所が閉鎖されたため2021年に至るまで鉛地金生産は減少する。2021年には,中国,インドにおいて鉛地金生産が回復し,ベルギー,日本,米国などでも生産量は復調傾向を示すと予測した。(3)需給バランスこのような需給情勢の変化を総合すると,世界の新産鉛需給バランスは,2020年は27.6万トンの供給過剰,2021年になっても19.2万トンの供給過剰が続くと予測した。2.亜鉛の需給(1)需要2020年の亜鉛地金需要は,2019年比で5.3%減少して年間1,298万トンとなり,2021年は2020年比4.2%増の1,352万トンになると予測した。これは,世界最大の亜鉛消費国である中国において,COVID-19によって自動車生産が大幅に減少したにもかかわらず,亜鉛メッキ鋼板生産量が2019年並みで推移したことから亜鉛地金需要量の大きな落ち込みはないと予測した。また,2021年の需要量は2%増と予測した。ヨーロッパの亜鉛地金需要は比較的安定して-13-鉱山第789号2020年11月