ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

概要

鉱山2020年8・9月号

表4ニッケル中間製品生産（出典）INSG World Nickel Statistics 2020.6（単位：千トン）暦年2015年2016年2017年2018年2019年構成?（%）ボツワナ16.816.90.00.00.00.0ブラジル0.00.00.00.00.00.0前年?（%）キューバ39.136.437.136.037.215.03.3フィンランド0.09.020.927.427.511.10.3トルコ0.01.84.05.02.20.9-56.4インドネシア81.277.676.874.871.028.7-5.1オーストラリア44.338.236.811.419.88.073.7ニューカレドニア16.411.66.56.76.52.6-3.6パプアニューギニア25.622.334.735.432.713.2-7.4フィリピン51.748.450.648.650.920.54.7世界合計275.1262.2267.4245.3247.8100.01.0であり，各国のニッケル製錬所において地金製錬用の原料となっている。ニッケルは，大別してニッケル地金類とフェロニッケル類に分かれ，後者が世界需給の3分の2程度を占めている。しかしながら，二大部門別の生産量についてはINSG統計では不明である。表6に，参考としてWBMS（World Bureau of Metal Statisitics）社の調査によるニッケル地金生産量を示した。INSGとWBMSは，ニッケル地金の定義や統計収集方法に差異があるものの，ニッケル生産全体に占める地金生産の割合は，最近では4割程度に暦年（注）表5ニッケル生産2015年2016年2017年2018年2019年（出典）INSG World Nickel Statistics 2020.6（注）ニッケル地金・フェロニッケルの合計（単位：千トン）構成?（％）前年?（％）アフリカ89.284.278.572.772.93.10.3マダガスカル47.342.135.533.233.71.41.6南アフリカ41.942.143.039.539.11.6-0.8アメリカ303.2306.0307.0292.2282.411.9-3.4ブラジル77.777.168.565.254.62.3-16.3カナダ159.3158.3154.2133.2123.95.2-7.0コロンビア36.737.040.643.140.51.7-6.0キューバ14.715.015.816.816.80.70.0ドミニカ0.09.915.619.224.01.025.0グアテマラ10.88.712.414.722.61.053.7ベネズエラ4.00.00.00.00.00.0アジア896.6949.51,061.61,230.41,431.160.316.3中国600.0573.4600.0685.0806.034.017.7インド2.52.42.41.80.50.0-75.0インドネシア38.3116.3204.3289.9375.715.829.6?本193.8191.8187.6187.1182.77.7-2.4韓国39.045.647.445.646.32.01.5ミャンマー23.020.020.021.020.00.8-4.8ヨーロッパ477.3435.4388.0392.7412.217.45.0オーストリア1.01.01.01.01.00.00.0フィンランド43.553.759.760.862.42.62.7フランス6.54.62.33.76.90.389.4ギリシャ17.117.116.815.712.00.5-23.8英国39.143.137.138.235.01.5-8.4北マケドニア17.710.67.210.015.30.653.0ノルウェー91.292.786.590.892.13.91.4ロシア231.9192.0155.0151.0167.37.110.8セルビア11.32.57.15.76.00.35.3ウクライナ18.018.115.315.814.20.6-10.1オセアニア210.0211.8216.2221.5194.68.2-12.1オーストラリア132.5115.8112.1113.6106.74.5-6.1ニューカレドニア77.596.0104.1107.987.93.7-18.5過?補正0.00.0-9.7-23.8-21.0世界合計1,976.31,986.92,041.72,185.62,372.2100.08.5と並ぶニッケルの一大生産国となるとの予想である。下がり，フェロニッケル生産が世界のニッケル生産の多数派である。ニッケル地金を生産している国は，中国，ロシア，カナダ，フィンランド，ノルウェー，オーストラリア，日本，マダガスカルなどであり，他の多くの国，地域はフェロニッケル生産国である。中国，日本は，地金とフェロニッケル双方の生産国であり，このような国は少数である。世界最大のニッケル生産国は中国で，2019年生産量は80.6万トンに達し，世界生産量の34％を占めた。大部分は，フェロニッケル生産及び類似の品位を有するNPI（ニッケル・ピッグ・アイアン）であり，世界最大のステンレス消費国としての旺盛なニッケル需要に支えられている。世界第2位の生産国はインドネシアで年間生産量は37.6万トンであり，大半はフェロニッケルである。政府のニッケル製錬事業促進政策を反映して，年間生産量は2015年の3.8万から約10倍となり，今後は，鉱石生産では世界最大，製品類の生産でも中国（4）世界のニッケル消費2019年の世界のニッケル消費量は，表7のとおり240万トンであり，2015年の187.6万トンに比べて52.4万トン，率にして28％増加した。そのうち中国の消費量増加が34.6万トンを占め，続いてインドネシアの増加が17.1万トンを占め，2カ国計で51.7万トンに達した。インドネシアにおけるニッケル消費の多くは中国向けのステンレス鋼生産であるため，実質的には中国の著しい経済成長によるステンレス鋼の需要増が，世界のニッケル消費増をリードしたと言うことができる。その他，ニッケルの主要消費国は鉄鋼業やニッケルを使用する電池産業が盛んな日本，韓国，米国，ドイツを中心とするEU諸国であるが，その消費量の増減には国ごとの消長がある。表8に，ニッケル最大の需要部門であるステンレス鋼の世界生産量の推移を示した。2015年に4,150万トンであった生産量は，2019鉱山第787号2020年8・9月－82－