ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

鉱業協会の2019(令和元)年度の会員企業の鉱山・製錬部門の電力使用量は前年度比2.2%減の68.1億kWh,電気料金は同0.8%増の567億円だった。再生可能エネルギーのFIT賦課金の負担,石油・天然ガスの価格上昇に伴う燃料調整費の負担が上昇基調になったことが電気料金の増加要因となった。2019(令和元)年度の「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」については,鉱業協会会員の6件が交付決定となり,2018(平成30)年度の採択額41百万円とほぼ同額となった。地球温暖化対策に関しては,日本経団連が推進する「低炭素社会実行計画」に参加し,非鉄製錬業界は2020(令和2)年度のCO 2排出原単位を1990(平成2)年度比15%削減,2030(令和12)年度を同18%削減から26%削減へと目標を引き上げる自主目標値(前提:電力の炭素排出係数0.429kg-CO 2 /kWh)を定めている。2019(令和元)年度は,9月に「非鉄金属製錬業における低炭素社会実行計画の進捗状況(2018年度実績)」を報告書に取りまとめて,経団連及び経済産業省に提出した。2018(平成30)年度のCO 2排出原単位実績は1990(平成2)年度比25.3%削減となり,2020年度目標を上回った。銅製錬所の生産効率向上などの省エネ対策効果の寄与が大きかった。家庭部門のCO 2排出量問題に対しては,家庭用太陽光発電の普及拡大策が見込まれる。合わせて,発電不安定性解消等の手段としてリチウムイオン蓄電システムの導入が支配的であるが,安全面・価格などの課題がある。鉱業協会は,鉛需要の拡充と鉛資源の国内確保を図る立場から,家庭用蓄電システムとして鉛蓄電システムの普及拡大に向けて,情報提供などにより支援を実施している。[再資源化]2018(平成30)年度のバーゼル法改正に伴い,E-scrap等を輸入する際の基本的事項告示等にトレーサビリティに関する努力規定が設けられた。鉱業協会は自主活動として適正な処理とトレーサビリティ確保に関する非鉄金属製錬所のガイドラインを作成し,改正バーゼル法施行とともに本運用を開始した。小型家電リサイクル法は法施行から5年以上が経過し,制度の評価,見直しに係る検討が開始された。再資源化部会では関係各社からの要望を取りまとめ,2019(令和元)年8月に開催された小型家電リサイクル制度に関する産構審・中環審合同会合において報告を行った。・新材料部門鉱業協会は,日本鉱業振興会の助成により,「活気ある持続可能な社会の構築に関する調査研究」のテーマで新材料・新技術の視点から,独立行政法人,公的研究機関,大学,民間企業などで行っている研究開発についてその最近の動向を調査研究した。また,関係する講演会を5回開催し,現地見学会を3回実施した。・環境保安部門休廃止鉱山の坑廃水処理問題に対して,義務者存在休廃止鉱山坑廃水処理の改善を目的として,休廃止鉱山現地で休廃止鉱山坑廃水処理改善検討会を開催した。休廃止鉱山における坑廃水処理作業監督者の確保を目的として一般財団法人休廃止鉱山資格認定協会の資格認定講習を引き続き実施している。これまでに延べ213名が資格認定修了証を受領した。2019(令和元)年度は9月に実施し,34名が受講,19名が修了証を受領した。水銀廃棄物については長期的な管理スキームが必要となる。鉱業協会はその在り方について,現行の野村興産㈱イトムカ鉱業所での分離回収スキームを最適としており,国内保管スキームの構築など鉱山第787号2020年8・9月-6-