ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

表14鉛精鉱輸入暦年2015年2016年2017年2018年2019年出所:経済産業省資源エネルギー庁輸入鉱統計及び日本鉱業協会調べ(単位:含有量トン)構成?(%)前年?(%)オーストラリア45,11045,90438,91132,73031,26638.9-4.5?国17,67217,12517,15220,76020,73224.7-0.1ペルー7,74510,2388,73510,6577,37712.7-30.8ボリビア11,8417,95511,71410,13613,28412.031.1南アフリカ2,0364,2424,7585.012.2メキシコ2,0691,6359603,5781.1272.7その他3,017 5,824 5,061 4,661 3,598 5.5 -22.8合計85,385 89,115 85,244 84,146 84,593 100.0 0.5ンで,年々減少傾向であることは否めない。無機薬品向けの鉛需要も長年の歴史を持っているが2019年度の鉛需要量は4,000トン強で,やはり微減傾向にある。“はんだ”は,生活中でなじみの深い鉛の用途であったが,“鉛フリーはんだ”の急速な普及などにより鉛需要が減退し,2019年度の需要量は1,000トンをかなり下回る600トン余まで減少した。4.鉛精鉱の輸入2019年の鉛精鉱輸入量は,表14のとおり鉛純分ベースで8.5万トンであった。2015年から2019年までの輸入量も,8.5万トン内外で安定的に推移している。主な輸入先は,豪州,米国,ボリビアであり,特に豪州からの輸入量は2019年においても3万トン以上となっている。鉛精鉱生産量も多い資源国であることに加えて日本の会社が鉱山権益を有していることが背景にある。5.鉛地金の輸出入日本の鉛地金の輸出入状況を表15及び表16に示す。2019年の鉛地金輸入量は4万トン,輸出量は5千トンであった。輸入先の首位は,鉛資源が豊富な豪州で2019年輸入量は1.7万トンであった。2015年以降は,コンスタントに1万トンから2万トンを輸入している。豪州につづいては東アジア諸国からの輸入が多く,鉛製錬業が盛んな韓国から8千トンを輸入した他,再生鉛工業の盛んな台湾からの輸入量が6千トンであったことが目立っている。鉛地金輸出量は,国内の地金生産量や輸入量に比べると小規模であるが,最近では,タイ,インドネシアのような経済成長の著しい東南アジア諸国への輸出が頻発するようになってきた。鉛需給関連では,前記2.で触れたように,2017年における通称「廃掃法」の改正により,使用済バッテリーからの再生鉛の生産や原料集荷事情に大きな影響が出た。法改正は,鉛のリサイクル工程において,有害物質の管理をさらに合理的な内容に改め,環境負荷の軽減や適切な取引慣行の確立を図ることが政策目的であった。そのため,法改正を機に環境対応面で法令に合致しない処理が懸念されていた韓国向けの使用済バッテリー輸出が大幅に減少している。表17は,使用済バッテリーを含む廃蓄電池の輸出量と輸出先の推移を示しているが,2017年の法令改正を機に輸出量と輸出先に大きな変化が起こっていることが分かる。鉱山第787号2020年8・9月-60-