ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

図鉛価格推移(年年月)$/MT円/MT2,400400.02,200350.02,000300.01,800250.01,6001,400200.01,200150.01,000100.02015年平均2017年平均2019年1月3月5月7月9月11月2020年1月3月($/MT)(千円/MT)図1鉛価格推移(2015年~2020年3月)最安値は5月14日の$1,768.0/tであった。2020年1月明けもLME相場は2019年末同様の動きを示していた。2月以降,COVID-19(新型コロナウイルス)の世界的蔓延と経済活動減退のニュースが流れるなかでも鉛価格は$1,800/t台内外を維持していたが,2020年3月11日にWHO(世界保健機関)よりCOVID-19のパンデミック宣言(世界的な流行宣言)が出ると他のベースメタルと同じく相場は下落した。2020年3月16日のLME価格は$1,700/tを切って$1,685.0/tになり,しばらくは一進一退で推移していたが,5月1日は$1,583.0/tを付けて$1,600/t台から落ちた。その後は少しずつ値を上げ始め,6月30日には$1,788.5/tまで回復している。2.需給と在庫1)鉛需給2019年の世界の鉛の需給概要は,国際鉛・亜鉛研究会(ILZSG)の統計によると表2のとおり,需給ともに年間1,190万トンであり,おおむねバランスしている。2018年までの2年間は供給不足感が強く,それが鉛価格上昇機運をもたらしていたが,2019年央からは需給緩和ムードが支配的になった。鉛地金生産の中で支配的な地位を占めている使用済バッテリー回収からの再生鉛生産が20192,400.002,200.002,000.001,800.001,600.001,400.001,200.001,000.001/2/2019 1/2/2020図2 LME鉛価格推移($/t)(2019年1月~2020年6月)年は前年比2.3%増の770万トンとなり,供給増の牽引役となったことが主因である。その後,2020年1月末に起きたCOVID-19(新型コロナウイルス)の蔓延と経済の停滞による鉛需給への具体的な影響については,2020年7月現在,同研究会からの公表情報はない。精鉱売買条件は,交渉時期にあたった2019年1月から3月ごろにかけての現物不足感や,精鉱不足感を反映した形で,鉱山側有利に展開した。専門誌などによると,2019年積みの豪州鉱のT/C(熔錬費)の長契物のベンチマーク(基準価格)は,2018年と同様に$98/dmtで決着した模様である。需給タイト感が起こる前の2017年積みのT/Cは$124.7/dmtであったとの情報からすると,精鉱売買条件は製錬側に厳しいまま2年経過したことになる。2)鉛在庫世界の鉛地金在庫は表3のとおりである。国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)の統計によると,2019年の世界計の鉛在庫は37.5万トンで2018年の38.5万トンよりやや減少した。LMEの鉛在庫も,亜鉛在庫と同じように2017年から2018年に急減したことが大きな関心事となり,供給不足感と合わさってLME価格上昇をもたらしたものの,2019年以降の情勢は落ち着いている。-53-鉱山第787号2020年8・9月