ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

ページ
54/214

このページは 鉱山2020年8・9月号 の電子ブックに掲載されている54ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2020年8・9月号

【海外】1.国際市況鉛2019年の国際的な鉛価格指標であるLME(ロンドン金属取引所)の月間平均の推移,及びLMEの変動に応じて変わっている日本の山元建値推移は表1及び図1のとおりである。また,LMEの日々の相場推移を図2に示した。2019年のLME鉛価格の年間平均は$1,997.7/t(1トンあたり米ドル価格)となり,$2,000/tを上回る価格で推移した2017年,2018年に比べると相対的に下がった。銅や亜鉛も同様の値動きを示した。2018年末ごろから始まった米中貿易摩擦の激化によって両国の景気が減速気味になるとの予測が市場に広まったこと,2年ほど続いた供給不足が解消するとの見方が広がったためである。また,英国のEU離脱交渉が難航して「合意なき離脱」懸念が高まり,欧州の景気に悪影響を与えるとの不安が拡大したことも要因のひとつである。LME相場は,2018年10月は$2,000/tを割り込んでいたが,2019年1月2日の取引初日も$1,975.0/tでスタートした。しかしながら,1月から3月にかけてLMEの現物在庫が少なくなって鉛地金の短期的な逼迫感が高まったため,LME価格は徐々に値上がりし,2月28日には$2,154.0/tを記録したが,その後,LME在庫が増加傾向を示し始めると相場は下がり,3月26日には$2,000/tを切って$1,982.0/tになった。その後も需給緩和や米中貿易協議の悲観的な予測を背景として鉛価格は$1,700/t台から$1,900/t台を上下したが,7月に米国の利下げ観測が報道されると7月18日には$2,020.0/tとなり$2,000/t台に戻った。8月から11月にかけてLME鉛価格は,米中貿易協議や英国のブレグジット報道などを契機に上下を繰り返し,$2,000/tから$2,200/t強で推移したものの,12月に入っても景気停滞感が残っていたことから値下がり傾向となり,2019年12月の取引最終日には$1,923.5/tとなった。2019年をとおしたLME Cash最高値は10月29日の$2,267/t,表1鉛価格推移表?本北?英国為替相場(注)建値P.P.円換算LMEセツルメント円換算(千円/MT)(¢/lb)(千円/MT)($/MT)(千円/MT)(円/$)2015年平均276.891.196243.41,786.494216.3121.052016年平均261.794.390226.51,870.744203.6108.842017年平均318.9114.452283.12,317.534260.0112.192018年平均310.6110.894270.02,243.865247.8110.432019年平均281.799.907240.21,997.658217.9109.052019年1?278.099.704239.51,994.159217.3108.982?291.0102.784250.12,062.075227.6110.383?294.9102.777252.12,054.571228.6111.244?284.197.798240.91,948.850217.7111.735?265.591.987222.81,817.214199.6109.866?267.894.960226.41,891.500204.5108.127?274.098.540235.21,974.022213.7108.288?281.6101.678238.32,043.190217.2106.329?284.2103.052244.12,070.857222.5107.4510?296.0108.329258.32,184.304236.2108.1511?290.9101.630244.02,031.905221.3108.9012?272.295.649230.41,899.250207.5109.242020年1?271.996.460232.61,925.159210.6109.382?270.093.626227.01,872.300205.9109.983?249.287.499207.21,744.636187.4107.41(注)三菱UFJ銀行TTM相場鉱山第787号2020年8・9月-52-