ブックタイトル鉱山2020年8・9月号
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鉱山2020年8・9月号
が電気亜鉛の生産減より大きくなっている。2019年度の日本の亜鉛需要量は,見掛値ベースで45.1万トンであった。2016年度から2018年度までは,年間48万トン前後の需要量であったが,2020年東京オリンピック向け建材需要などが一段落したことや輸入品との競争激化などの理由で2019年度の需要は減少したとの見方が一般的である。そのため,2019年度は亜鉛地金輸出量は2018年度比で約1.4万トン増となった。3.主要部門別の需要動向亜鉛の需要部門別概要は表10のとおりであるが,主要部門別の亜鉛使用製品の生産量を表11から表15に示した。亜鉛の最大の需要先は亜鉛めっき鋼板,2番目に大きな需要先は溶融亜鉛めっきであり,両者合計の比率は40%強である。続いて,黄銅(真鍮:しんちゅう)製品向けと鉛ダイカスト(鋳造品)向けの需要が,ほぼ拮抗している。亜鉛めっき鋼板は防錆機能に優れていることから,自動車のボディを代表例として,橋梁,ガードレールなどの建築材料などにも広く使われている。表11は亜鉛めっき鋼板の生産量推移である。2019年度の生産量は2018年度に比べて80万トン減少し,1,000万トンを割込む956万トンであった。国内向け,輸出ともに2018年度より減少し,各種報道のとおり鉄鋼加工品をめぐる苦しいマーケット状況を反映している。一般の溶融亜鉛めっき製品生産量の推移は表12のとおりである。最近3年間は年度ベースで120万トン弱で推移している。2019年度の生産量は118.4万トンとなり,2018年度から0.3万トンほど微減した。黄銅(真鍮:しんちゅう)は,銅と亜鉛の合金で,亜鉛含有率は20%から40%程度である。表13に2015年度から2019年度までの暦年ベースでの黄銅生産量を示した。2019年度の生産量は31.0万トンであったが,2018年度に比べて3.2万トン,率にして9%減となった。黄銅製品を含む伸銅製品全体の生産量も2019年度は2018年度に対して8%も減少し,銅,亜鉛の需要な消費先である伸銅部門の減産傾向が目立った。亜鉛ダイカストは,いわゆる鋳造品であり亜鉛含有比率が95%以上の合金であることが多く,表11亜鉛めっき鋼板生産・出荷・在庫(単位千トン)年度2015年度2016年度2017年度2018年度2019年度前年度??産10,334 10,483 10,554 10,362 9,564 -7.7%出荷計10,348 10,568 10,485 10,315 9,531 -7.6%国内7,833 8,008 8,197 8,191 7,665 -6.4%輸出2,515 2,560 2,288 2,124 1,865 -12.2%在庫計1,033 949 1,018 1,065 1,097 3.1%メーカー612 581 611 597 649 8.7%問屋421 368 407 467 448 -4.2%在庫率(%) 108.7 93.8 105.5 119.5 133.8 11.9%特約店在庫346 329 351 374ー市中価格(千円/t)86.0 94.0 106.0 106.0 99.0 -6.6%輸? 760 670 866 896 999 11.6%(出所)(一社)日本鉄鋼連盟:鉄鋼需給統計月報(注)1.特約店在庫は全国市中鋼材数量調査の自社所有在庫。2.市中価格は電気めっき(冷延)1.0mmで月末東京安値。3.月の在庫率は在庫/出荷,期末の在庫率は期末在庫/期の月平均出荷で算出。鉱山第787号2020年8・9月-48-