ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

鉛消費の伸びは中国の経済成長の鈍化により相対的に小さくなると予測したためである。その後,2020年1月末に起きたCOVID-19(新型コロナウイルス)の蔓延と経済の停滞による亜鉛需給への具体的な影響については,2020年7月現在,同研究会からの公表情報はない。このような需給緩和ムードを背景にして,精鉱売買条件も製錬所側有利に展開した。専門誌などによると,2019年積みの中国,韓国,日本,欧州向けのT/C(熔錬費)の長契物のベンチマーク(基準価格)は$245/dmtで決着し,PP(価格スケール条項)も復活した。2018年の$147/dmtから大きく変化した。2)亜鉛在庫世界の亜鉛地金在庫は表3のとおりである。国際鉛・亜鉛研究会の統計によると,2019年の世界計の亜鉛在庫は83.5万トンで2018年の89.7万トンより6.9%減少した。世界の亜鉛在庫は,2017年にLME在庫が急減したことが亜鉛事業関係者間で大きな関心事となり,供給不足感と合わさってLME価格上昇や現物高先物安の相場情勢をもたらしたが,2018年以降は周辺の情勢は落ち着いている。世界合計での亜鉛在庫増減については,表3の下方に示されているとおり,中国の上海先物取引所の在庫量増減の影響もあるものの,相場等へのインパクトについては専門家の間で各論がある。3.鉱石生産表2亜鉛需給バランス(出典)ILZSG Lead and Zinc Statistics 2020.6(単位:1000t)暦年2015年2016年2017年2018年2019年19/18(%)鉱??産13,621.012,598.512,614.212,761.412,881.50.9地??産13,801.513,559.513,486.313,102.113,494.13.0?次地?12,893.212,681.312,401.111,880.612,104.41.9?次地?908.3878.21,085.21,221.61,389.713.8地?消費13,626.713,665.313,953.213,645.213,699.30.4需給バランス174.8-143.0-466.9-543.1-205.3-62.2年末在庫1,467.01,374.71,023.1896.5835.4-6.8世界の亜鉛鉱石生産を表4に示した。2019年の世界の亜鉛鉱石生産量は1,288万トン(亜鉛含有量ベース,以下同じ),で,2018年と比べる暦年末表3亜鉛地金在庫2015年2016年2017年2018年2019年在庫/消費(週間)65433?国ストックパイル88888(出典)ILZSG Lead and Zinc Statistics 2020.6(単位:1000t)構成?(%)19/18(%)?産者在庫374395377343351422.3ヨーロッパ67727072678-6.7カナダ5246382228325.5?国25252525253?本6774686070816.3オーストラリア21312126243-9.6その他14214715513813817-0.2消費者在庫16313313113713716?国78483838385?本211818202132.5その他64677579799-0.6流通在庫12121214142-2.9?本220-20.0?国12121212121LME464427181129516-60.2アントワープ472320-95.0ビルバオ1120ジョホール207171ポートケラン153ロッテルダム1092261-73.2シンガポール1120ヴリッシンゲン1112210.9?雄162英国44ニューオリンズ3663801799461-93.5上海先物取引所200153692028340.5中国国家備蓄25425425425425430商業在庫計1,4671,3741,024897835100-6.9と0.9%増加した。2016年以降,亜鉛の供給不足が拡大し,価格も上がったことから主要生産国における新規亜鉛鉱山の開発や増産計画が相次いで発表されているが,具体的に寄与するのは2020年以降であると考えられている。2019年の世界の主要亜鉛鉱生産国は,1位中国432万トン,2位ペルー140万トン,3位豪州133万トンで,これらの上位3カ国で世界の鉱石生産量の55%を占めている。その他,亜鉛鉱石生産量が多い国は,インド,メキシコ,ボリビア,カナダなどであり,総じて南北アメリカ大陸,中国からインド付近,豪州での生産量が多いが,世界各地で生産されているため資源が遍在しているとは考えられていない。中国では2017年ごろから環境政策が大きく変化し,鉱業分野においても環境規制を遵守できない鉱山,製錬所の閉鎖が相次いでいて,中小事業者が多い亜鉛鉱山業界は減産局面に転じた。中国の亜鉛鉱山は大規模会社への集約と増産が進んでいるとのニュースが頻繁に報道されており,亜鉛鉱石生産量も2016年に年産508万トンを記録した後,2017年に459万トンに1割減となったものの,2018-41-鉱山第787号2020年8・9月