ブックタイトル鉱山2020年8・9月号
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鉱山2020年8・9月号
【海外】1.国際市況亜鉛2019年の国際的な亜鉛価格指標であるLME(ロンドン金属取引所)の月間平均の推移,及びLMEの変動に応じて変わっている日本の山元建値推移は表1及び図1のとおりである。また,LMEの日々の相場推移を図2に示した。2019年のLME亜鉛価格の年間平均は$2,549.2/t(SHG:スペシャル・ハイ・グレートの1トンあたり米ドル価格)となり,$3,000/t内外で推移した2017年,2018年に比べると相対的に下落した。これは,2018年末ごろから始まった米中貿易摩擦の激化によって両国の景気が減速気味になるとの予測が市場に広まったこと,2~3年来続いてきた供給不足が解消の方向に向かうとの見方が広がったためである。また,英国のEU離脱交渉が難航して「合意なき離脱」懸念が高まり,欧州の景気に悪影響を与えるとの不安も拡大したためである。このような動きのなかで,2019年1月にIMF(国際通貨基金)も,2019年の世界経済成長率を前回発表値より下方修正し,年率3.7%から3.5%に引き下げた。LME相場は,2018年12月に月間平均で$2,300/tを割り込むまで下落していたが,2019年1月2日の取引初日は$2,462/tでスタートした。1月から3月にかけて,亜鉛価格は$2,500/tから$2,700/t内外で値上がり気味に推移した。これは,LMEの現物在庫が少なくなって亜鉛地金の短期的な逼迫感が高まったためであるとの見方が大勢である。その後,LME価格は2019年3月29日に$3,000/tぴったりまで値上がりし,4月中は$2,800/tから$3,000/tレベルを維持した。しかしながら,2019年5月以降は,亜鉛の新規鉱山の操業開始によって鉱石や地金供給増が実現したことや,米中貿易協議が延々と続くなかで景気高揚感も見られないことから亜鉛相場も沈滞し,7月の平均価格は$2,441/tまで下がり,8月には$2,275/tとさらに値下がりした。また,LMEでは年初以来,先物安の現物高が続き,足元の亜鉛地金不足感がに表1亜鉛価格推移表?本?国英国為替相場(注)亜鉛建値SHG建値円換算LME SHG円換算(千円/MT)(¢/lb)(千円/MT)($/MT)(千円/MT)(円/$)2015年平均282.395.544255.01,932.510233.9121.052016年平均275.6101.367243.22,090.692227.6108.842017年平均372.8139.284344.52,893.973324.7112.192018年平均371.5141.048343.42,925.066323.0110.432019年平均328.8124.134298.42,549.240278.0109.052019年1?329.0124.742299.72,559.182278.9108.982?348.4131.174319.22,702.850298.3110.383?365.8137.838338.02,851.405317.2111.244?379.9141.875349.52,938.750328.3111.735?353.3133.374323.02,747.738301.9109.866?332.5126.068300.52,602.125281.3108.127?314.1118.635283.22,441.478264.4108.288?292.3111.449261.22,275.143241.9106.329?299.4113.932269.92,319.643249.2107.4510?315.3119.713285.42,445.587264.5108.1511?316.0119.107286.02,432.952264.9108.9012?299.8111.698269.02,274.025248.4109.242020年1?312.4115.424278.32,357.273257.8109.382?285.3104.683253.82,120.475233.2109.983?259.494.790224.51,905.614204.7107.41(注)三菱UFJ銀行TTM相場-39-鉱山第787号2020年8・9月