ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

2.需給と在庫2019年の世界の銅地金需給バランスは,ICSG(国際銅研究会)の統計によると,表2のとおり年間27万トンの供給不足となり,2018年に続いて2年連続の供給不足であった。しかしながら,世界の地金生産量は2,362万トンであることから,実際のマーケットにおいて不足感が度々報道されるような事態はなかった。2019年の世界の銅在庫は,専門誌などに拠っても中国,チリなどの状況が不明であるため全体感を定量的に把握することが困難な年であった。以下に,LME在庫を主に,引き合いに出されることが多い米国のCOMEXと中国の上海取引所在庫数量を示した。2019年のLME銅在庫は2018年同様に安定的に推移し,足元における銅の現物不足や,在庫量の急増,急減などはなかった。2019年積みの長契ものの銅精鉱売買条件は,このような需給動向と,中国において2019年は新製錬所の操業開始が相次ぐことから全体的ムードとして精鉱供給がタイトになるとの見方が中心となる中で交渉が行われ,2018年12月に中国大手向けのベンチマーク(基準売買条件)をT/C,R/Cで$80.8/dmt,¢8.08/lbとすることで決着していた。(※)2019年6月になると,例年と異なる契約タイミングであるが,英系メジャーでチリにてロス・ペランブレス銅鉱山操業などを行っているアントファガスタ社(Antofagasta)が,2020年積み中国向けの一部数量を対象とした長契条件につき,T/Cを$60台半ばdmt,R/Cを¢6台/lbとすることで中国主要製錬メーカーと合意したとの専門誌経由の情報が流れ,銅精鉱のタイト感を裏付けした形となった。なお,7月中にアントファガスタ社の精鉱を輸入している日本の非鉄各社も$68mt,R/Cを¢6.8bと若干の条件差はあるものの,暦年半ばを区切りとする長契締結に合意したとの専門誌記事が出た。(※)T/C:Treatment Charge=熔錬費dmt:dry metric tonR/C:Refining Charge=精製費lb:pound3.鉱石生産世界の銅鉱石生産は,WBMS(World Bureau ofMetal statistics)の統計によると表3のとおりである。なお,ICSG(国際銅研究会)の統計も同値である。2019年の銅鉱石生産量は2,067万トン(含有量ベース,以下同じ)で,2018年の2,033万トンに比べて34万トン,2%の増となった。2017年に,2018年以降の銅供給不足予測が発表され,銅価格も$6,500に上昇したため銅鉱山開発意欲が刺激されて新規,増産プロジェクトが竣工して銅鉱石生産が増加した。2019年において,世界最大の銅鉱石生産国はチリで,年間生産量は578万トンであった。チリの銅鉱表2銅需給バランス(単位千トン)暦年2015年2016年2017年2018年2019年19/18鉱石生産19,44720,41920,25120,32720,6721.7%粗銅生産17,02417,46617,39317,76217,9521.1%地金生産23,02423,21723,46123,64723,616-0.1%地金消費22,89323,18323,33423,92523,886-0.2%地金バランス13134127-278-271(出典)WBMS:World Metal Statistics 2020.7表2(参考)主要取引所地金在庫(出典Copper Bulltin)(単位千トン)暦年2015年2016年2017年2018年2019年LME236312201132145COMEX638119210036上海取引所183147150119124世界最大の銅鉱山エスコンディダ(チリ)全景出展BHPビリトン社公式サイト-25-鉱山第787号2020年8・9月