ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

7,0006,5006,0005,5005,0004,5004,0003,5003,000(2015年から2020年3月)$/t千円/t2015年平均2017年平均2019年1月3月5月7月9月11月2020年1月3月LME($/t)建値(千円/t)1,000900800700600500400300図1銅価格推移(2015年から2020年3月)$6,000を超える水準で推移した要因のひとつであるとの論評が多い。この間,英国のEU離脱期限はEU委員会との交渉の結果10月末まで延長となった。しかしながら,5月5日に米国のトランプ大統領が中国からの輸入品の多くに10%から25%の制裁関税をかけることを発表し,米中貿易協議の先行き不安が一気に拡大すると,景気後退懸念から銅価は下落した。6月に発表された中国の景気指標が市場関係者の予測より低かったことも銅価下落に拍車をかけた。LME相場は,5月22日に$6,000を切って$5,920となり,6月から8月にかけて,米中貿易協議の報道内容に一喜一憂しながら$5,600から$6,000の間で上下を繰り返した。2019年10月1日に中国は建国70周年を迎え,好景気感を維持するために大型の公共工事プロジェクトを促進して需要喚起を図るなどの経済政策を推し進めているとされたが,経済成長率が期待ほど伸びていなかったことから銅価格は9月から11月にかけても,従前と同じような上下を繰り返した。表1に示したように,2019年のLME月間平均価格の推移を見ても,8月が2019年最安値で$5,707であったが,9月と10月も$5,700台と8月同様のレベルである。11月に入ると,米国の景気回復期待や米中貿易摩擦が小康状態になったとの観測$/t7,000.006,500.006,000.005,500.005,000.004,500.004,000.003,500.003,000.002019/01/02 2020/01/02図2 LME銅価格推移(2019年1月~2020年6月)感から銅価は上昇基調となり,12月10日は$6,000を超えて$6,055となり,年末取引最終日の12月31日は$6,156まで上昇した。2020年に入ると,中国の景気回復,英国のEU離脱が1月31日に平和裏に実現したことなどの明るい話題を受けて銅価は1月27日に$6,276.5まで上がった。しかし,相前後して中国における新型コロナウィルスによる武漢市のロックダウンのニュースなどが流れ始めると,銅を含む国際商品相場は1月末から軒並み下落基調となった。3月11日にWHO(世界保健機関)によってCOVID-19のパンデミック(世界的流行)宣言が発せられると,経済活動の停滞による世界的な大不況が訪れるとの予測から銅価もさらに値を下げ,3月18日には$5,000を下回って$4,860.5になった。銅相場は,3月末から4月にかけて$5,000をやや下回る水準で推移したのち,5月に入ると$5,000を超える日が多くなり,他のベースメタルに比べると相対的に値を持ち直し,2020年6月30日は$6,038を記録するまでに至った。なお,COVID-19関係については事態の進行した2020年1月末以降は各種情報が錯そうする状態になったため,日々の相場についての専門家の論評もさまざまである。鉱山第787号2020年8・9月-24-