ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

の製錬会社であるが,同社株式の一部をインドネシア側へ売却するべく2019年を通して交渉を繰り返し,2020年6月19日に妥結した。合意内容は,従前に売却し終えた分も含めて合計40%のPTVI株式をインドネシア有数の金属会社であるアサハン・アルミニウム社に譲渡するものである。鉱業政策の別の柱である未加工鉱石の輸出禁止は,ニッケル鉱石輸出につき,2022年1月1日施行予定を2年繰り上げ実施することが2019年9月2日に正式発表となった。8.大規模事故や世界経済指標など5.で記載したブラジルのテーリング・ダム崩落事故以外に多数の死傷者が出たメタル関連の事故は以下のとおりであった。1)2019年6月27日に,コンゴ民主共和国のカモト(Kamoto)銅,コバルト鉱山の露天掘り鉱区において大規模な土砂崩れが発生し,少なくとも41名が死亡した。各種報道によると,現場は鉱山会社の正式な採掘現場であるが,日常的に違法採掘者が入り込み,会社側の度重なる警告にもかかわらず鉱石を違法に採取して売り払っていた状態であったため,正確な犠牲者数も不明であるとのこと。2)2019年11月7日に,西アフリカのブルキナ・ファソで金鉱山を操業中のカナダのセマフォ社(Semafo)(2020年3月にエンデバー・マイニング社に買収された)の輸送車両隊が武装集団の襲撃にあい37名が死亡,60名が負傷した。同社は,ただちに鉱山操業を停止した。2020年5月時点で操業再開等の追加情報はない。3)IMF(国際通貨基金)が毎年発表している世界経済の成長率は表2のとおりである。2018年と比較すると,中国,米国の成長率が鈍化した。-21-鉱山第787号2020年8・9月