ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

国際課税原則への帰属主義の導入により国外PEに帰属する所得が明確に規定されたことから,外国税額控除制度の90%シーリングは制度と整合的ではなくなるため撤廃していただきたい。2)国外所得金額計算の一括限度額方式の堅持本邦企業の海外展開を支援し,同時に,諸外国における租税制度とのミスマッチを緩和するためには,事務手続きも簡便である一括限度方式の維持が不可欠である。2控除限度超過額及び控除余裕額の繰越期限の延長(10年)主に新興国の海外当局による過去3年を超える年度に対しての課税事例の増加など期ずれ要因が増加する中で,二重課税の解消ができないまま控除額が失効するケースの更なる増加が想定されるため,控除限度超過額及び控除余裕額の繰越期限を10年に延長していただきたい。3繰越期限に至った外国税額控除限度超過額の損金算入税額控除方式を選択して繰越期限内に控除できない場合,その残額は税額控除方式も損金算入も不能となる。将来を予見し,損金算入方式と税額控除方式を選択することを求めることは,課税の公平性の視点からも問題がある。加えて,所得金額以外を課税標準として課税される外国法人税は,所得金額に不釣り合いな多額の税額になる場合がある。この場合,控除限度超過額の繰越期限内での外国税額控除は困難である。二重課税回避のため,繰越期限に至った外国税額控除限度超過額の損金算入を認めていただきたい。4地方税から控除未済となった金額の還付ないしは,損金算入控除対象外国法人税額が住民税法人税割よりも大きい場合,控除未済外国税額として将来3年間繰越されるが,前項と同様の理由で,控除未済となった金額については還付,ないしは損金算入を認めていただきたい。2.法人税制に係る要望(1)今年度に期限の到来するもの1研究開発促進税制の維持・存続(租税特別措置法第42条の4,68条の9)1)総額型の堅持我が国が,技術立国を目指し,中長期的な持続的経済成長を実現するためには,民間企業の研究開発を推進することが不可欠であり,本税制の果たす役割は極めて大きい。長期安定的に行われる研究開発をサポートする観点から総額型の堅持をお願いしたい。2)令和2年度末までとされている上乗せ措置の維持・拡大また,研究開発費用の増加に対しインセンティブを与えるため,令和2度末までとされている上乗せ措置を維持・拡大していただきたい。3)繰越税額控除の復活研究開発は企業の業績により増減はするものの中長期的な視点も持って実施していることから,毎年相当程度の研究開発費の支出がある。一方,繰越税額控除が出来ないため,業績の悪化した事業年度においては控除限度額も減少するため,多額の控除限度超過額が発生することがある。中長期的な研究開発の促進のためにも,繰越税額控除の復活をお願いしたい。-195-鉱山第787号2020年8・9月