ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

ページ
195/214

このページは 鉱山2020年8・9月号 の電子ブックに掲載されている195ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2020年8・9月号

に伴い開発コストならびにリスクが増大していることに加え,操業移行後の生産活動や収益計画の安定的な実現も難しくなってきている。?近年,地元への利益還元を求める地域住民の反対により,探鉱及び開発を断念,または,計画を大幅に修正する事例も増加している。?最近の開発投資において,ESGやSDGsなどの自然環境及び地域社会の保全に対する意識の高まりにより,コストの増加に加え,手続きや対応が煩雑化し,開発の可否が見通しづらくなってきている。このように海外鉱山開発を巡りますます増大するリスクに対する軽減措置として,本制度は非常に重要な役割を果たしているので,積立期間延長,申請・認可手続きの簡素化,事後手続化,資源開発投資法人に対する積立率を改めて引き上げることなど一部拡充のうえでの恒久化をお願いしたい。3.軽油引取税の課税免除の特例の維持・存続(地方税法第2章第7節の2,地方税法附則第12条の2の7)本税は地方税の目的税(道路特定財源)として新設され,その後,平成21年度税制改正において一般税に変更された経緯があるが,公道走行を伴わない鉱山坑内での使用等,政策的配慮から特定の用途については課税を免除されて来た。本特例措置が廃止された場合,事業者による価格転嫁は難しく,鉱山経営の悪化から安定供給が損なわれる懸念もあり,維持・存続をお願いしたい。4.非鉄金属鉱業に係る外国子会社合算税制の適用要件緩和(租税特別措置法66条の6,68条の90)持分割合25%以上等の要件を満たす法人から受ける配当等については合算課税の対象から除外することとされているが,非鉄金属鉱業においては海外資源メジャーとの体力差もあり,25%以上の持分を確保することは容易ではない。ついては,持分割合要件を化石燃料採取事業と同等の「10%以上」に緩和していただきたい。5.非鉄金属鉱業に係る外国子会社配当益金不算入制度の持分保有要件の廃止(法人税法第23条の2)持分割合25%以上の外国子会社から受ける配当等はその95%が益金不算入とされているが,特定資源(石油・天然ガス,鉱物資源等)に係る海外投資については,海外資源メジャーとの体力差もあり,25%以上の持分を確保することは容易ではない。特に非鉄金属鉱業各社においては,海外株式の持分保有比率が低い場合においても採取鉱物の引取権益を有するなど,引き取った鉱物の加工やその供給により,我が国の産業に資すること,海外子会社利益の国内還流および再投資をより促進するとの観点からも,持分保有要件を廃止し,持分割合に関わらず海外配当益金不算入制度の適用対象とすることをお願いしたい。Ⅱ.他産業と共通する要望1.国際課税制度に係る要望(1)外国子会社合算税制の見直し(租税特別措置法66条の6,68条の90)1非鉄金属鉱業に係る外国子会社合算税制の適用要件緩和(再掲)-193-鉱山第787号2020年8・9月