ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

運輸輸送関係の動向(1)海上輸送する固体ばら積み貨物に係る規制の改正及び今後の動向固体ばら積み貨物を海上輸送するための国際基準(国際海上固体ばら積み貨物コード(IMSBCコード))が平成23年1月1日より発効(義務化)し,国際海事機関(IMO)における各国等の提案に基づく審議や新規貨物の運送要件取り入れなど2年ごとに定期的な改正が行われている。第3次改正が平成29年1月1日より発効しており,我が国においても,国際基準との整合性を確保するため,船舶安全法の関係法令等(特殊貨物船舶運送規則及び関連告示等)を改正し,発効同日より施行している。特殊貨物船舶運送規則では,1液状化物質(船体の動揺/振動により液状化するおそれのある物質)を運送しようとする荷送人に対し,液状化物質の水分値を適切に管理するための「水分管理手順書」の作成義務付け,国土交通省(地方運輸局長)の承認,2地方運輸局長又は登録検査機関による運送許容水分値及び水分の測定(本邦内で運送する場合に限り,一定の条件の下,荷送人自ら実施可)が規程されている。第3次改正では非鉄スラグ(銅スラグ,亜鉛スラグ)や化学石こう等が液状化物質として取り入れられたことから,非鉄各社では,水分管理手順書の作成に向け地方運輸局等に問い合わせるなど準備を進め,平成29年1月以降,これらの物質を液状化物質として運送している。平成31年1月には,金属硫化精鉱(腐食性)や無水リン酸二水素カルシウム等が取り入れられる第4次改正が発効され,我が国においても関係法令が改正された。なお,IMSBCコードの4次発効(平成31年1月)にあたり,特殊貨物船舶運送規則等関連告示が平成30年12月25日に改正された。令和元年6月のIMO第101回海上安全委員会にてIMSBCコード第5次改正が採択された。(2021年1月1日発効)。なお,同改正の全部又は一部は2020年1月1日より締約国は自発的に適用できることがIMOにおいて合意されている。この内容を踏まえ,一部の国ではIMSBCコード第5次改正を前倒しで取り入れるため,我が国の運送に影響が生じないよう,以下1及び2について2020年1月1日より早期に運用された。1.新規追加貨物の事前査定の省略IMSBCコード第5次改正の新規追加貨物に関して,特貨則第15条の2の3の規定に基づく地方運輸局長の確認に当たって,IMSBCコード(*第5次改正)に掲載されている当該貨物の個別スケジュールに従い運送する場合,事前査定を省略し固体ばら積み貨物確認書を交付する。2.新規追加貨物を運送する船舶の貨物区域における消防設備の免除IMSBCコード第5次改正の新規追加貨物のうち,「火災の危険性が低い貨物」については,船舶消防設備規則第57条第1項ただし書きに該当するものとし,固定式鎮火性ガス消火設備の備え付けを免除する(MSC.1/Circ.1395/Rev.4に基づく免除措置)。また,船舶検査証書等にも新規追加貨物を積載可能な貨物として船舶検査証書等に記載するよう取り扱う。(*)第5次改正鉱山第787号2020年8・9月-176-