ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

2015年度も目立つ動きは無かった。水生生物の保全に係る水質環境基準の追加検討項目には,カドミウム・銅・ニッケルが含まれている。健康項目であるニッケル,アンチモン,マンガンに関しては,それぞれ指針値又は環境基準値の設定について今後検討される。c.生物応答性手法(WET)諸外国で導入されている生物応答性を利用した排水管理手法(米国呼称=WET:WholeEffluent Toxicity)について,環境省は2009年頃から規制導入を視野に制度化の検討を進めており,2015年11月20日に「生物応答を利用した排水管理手法の活用について」(検討会報告書)が公表された。2015年11月20日から2016年1月12日までパブリックコメントが実施された。産業界は経団連を軸に,報告内容に課題が多いこと,導入による効果が不明なこと,排水管理手法の一手法の押し付け,その他を理由に再考を求める意見書を提出した。2016年6月29日,7月12日に「生物を用いた水環境の評価・管理手法に関する検討会(第1回,第2回)」が開催され,パブリックコメント並びに経団連意見書に対する回答及び課題の整理を行った。その後も検討会を数回開催し「WET手法を用いる場合の評価・管理手法の基本的な考え方を整理する」ためのパイロット事業を実施し,WETの意義とメリットについての取りまとめを行っているが,未だ課題が多く,2017年度だけでなく2018年度もパイロット事業が行われ,2019年3月末で中間報告が取りまとめられた。評価手法として有効であり,管理手法としての導入は事業者に任せるという内容であった。引き続き,環境省の動きを注視する。保安1.現地安全情報交換会各社の安全成績向上をめざし,2006年度から保安部会委員各社の事業所持ち回りで現地を訪問し,見学並びに安全管理状況の説明を受け,同時に各社ごとの労働災害発生状況の推移や安全衛生活動状況の報告など,安全に関する情報交換を行っている。2019年度の第19回現地安全情報交換会は,33名の参加を得て5月23日(木),24日(金)の2日間に亘って古河電子㈱いわき工場で開催した。2.拡大安全衛生委員会各社の鉱山,製錬所で発生した休業災害事例を共有化することにより,類似災害を低減するため,2008年5月より,拡大安全衛生委員会の場で定期的(2ヶ月に1回)に,災害が発生した会員各社が発表を行ってきた。2016年より災害事例の報告に加えて,労働安全衛生全般に関する情報を共有する場として開催している。3.労働衛生,職業病,保安に関する調査,活動等(1)中央労働災害防止協会主催の各種会議に出保安部会10社製錬部門災害発生状況(千人率)年間201120122013201420152016201720182019死亡災害0.130.130.120.120.000.110.080.030.05休業災害1.531.381.182.081.691.471.141.601.32不休業災害3.693.885.074.733.864.634.594.224.17鉱山第787号2020年8・9月-174-