ブックタイトル鉱山2020年8・9月号
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鉱山2020年8・9月号
環境・保安環境・保安部門の動向環境1.休廃止鉱山・坑廃水処理問題1992年の金属鉱山等鉱害対策特別措置法の改正により,創設された鉱害防止事業基金制度に基づく2020年4月現在の指定鉱山数は,23鉱山,公益財団法人資源環境センター移管鉱山数は,同じく23鉱山である。義務者存在休廃止鉱山坑廃水処理の改善を目的として,2006年度より休廃止鉱山現地で休廃止鉱山坑廃水処理改善検討会を開催している。2019年度は,10月24日,25日に北海道の小樽(大江鉱山・余市鉱山)で開催した。2.一般財団法人休廃止鉱山資格認定協会の設立2005年の鉱山保安法の改正により,旧法の係員制度及び鉱山固有の国家試験制度が廃止され,保安の確保上必要な施設等については作業監督者を置くことが義務付けられた。(一般法の公害防止管理者(水質)の資格が必要)休廃止鉱山における坑廃水処理作業監督者の確保を目的に,一般財団法人休廃止鉱山資格認定協会を設立し,2012年度より休廃止鉱山坑廃水処理作業監督者の資格認定講習と修了試験を実施してきた。その実績を踏まえ,2014年6月に鉱山保安法施行規則の一部が改正され,本講習の修了者を産業保安監督部長が認めることにより法的に正式な作業監督者として選任できることになった。これまでに延べ213名の方が休廃止鉱山坑廃水処理作業監督者の資格認定修了証を受領している。2019年度は,9月11日,12日に資格認定講習を実施し,34名が受講し19名が修了証を受領した。2020年度は,2021年1月21日,22日に資格認定講習の実施を予定している。3.農用地土壌汚染関係農用地の土壌汚染については,「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」に基づき,人の健康を損なう恐れがある農畜産物が生産され,又は農作物等の生育が阻害されることを防止するため,カドミウム,銅及び砒素の特定有害物質による農用地の土壌汚染の実態を明らかにした上で,都道府県が汚染地域及びそのおそれのある地域を農用地土壌汚染対策地域として指定するとともに農用地土壌汚染対策計画を策定し,農用地の土壌の特定有害物質による汚染の防止,除去等に必要な客土等の対策が講じられている。環境省では,農用地の土壌の汚染のおそれのある地域を対象として都道府県が2018年度に行った細密調査の結果及び農用地土壌汚染対策の状況について取りまとめ公表した。(表1)(1)2018年度細密調査結果1県5地域の79.1haについて細密調査が実施され,玄米について50地点で調査が行われ,3地域3地点で基準値(玄米中カドミウム濃度0.4mg/kg)を超えるカドミウムが検出され,最高値は0.61mg/kgであった。(2)農用地土壌汚染対策の進捗状況(表1)a.基準値以上の汚染が検出された地域の累計134地域7,592 ha-167-鉱山第787号2020年8・9月