ブックタイトル鉱山2020年8・9月号
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鉱山2020年8・9月号
更に成長・発展し,変化に対応するために半導体材料研究所,電子材料研究所,機能材料研究所並びに各事業所の技術開発部門において,化合物半導体,オプトデバイス,導電性材料,磁性材料,各種機能性粉体などで,技術力強化と新たな市場開拓・用途展開を見据えての新製品の開発・現行製品の品質改善・生産性の向上に取り組んだ。特に新規商品の拡充に重点を置き,半導体部門では近赤外領域オプトデバイスの研究開発に取り組み,電子材料部門では半導体接合用の銀ナノ粒子,電子部品用の銅粉及び銀粉などの金属粒子の研究開発及び生産性の改善に取り組んだ。その結果,市場の要求に対応した技術改善,独自技術の開発の成果としてそれぞれ顧客から良好な評価を得ており,今後の増販・販路拡大が期待される。なお,当部門における研究開発費は41億34百万円である。(三井金属鉱業)(1)業績(機能材料部門)1電池材料水素吸蔵合金は,ハイブリッド車の市場が好調に推移したことにより販売量は増加したが,リチウムイオン電池用のマンガン酸リチウムは,海外向けの需要が低調であったことから販売量は減少した。この結果,売上高は前連結会計年度に比べて減少した。2排ガス浄化触媒二輪車向け排ガス浄化触媒は,環境規制の強化を受け,一部車種での搭載個数が増加したこと等から販売量は増加した。四輪車向け排ガス浄化触媒は,新規受注車種の量産を開始したことから販売量は増加した。加えて,主要原料であるパラジウム・ロジウム価格が下半期に入り高騰したことから販売価格は上昇した。この結果,売上高は前連結会計年度に比べて増加した。3機能粉電子材料用金属粉は,主要顧客の生産調整の影響に加え,自動車向けの需要が低調であったことから販売量は減少した。高純度酸化タンタルは,スマートフォン向けの需要が低調であったことにより販売量は減少した。この結果,売上高は前連結会計年度に比べて減少した。4銅箔キャリア付極薄銅箔は,半導体パッケージ基板向けの需要が堅調であったことから販売量は増加した。プリント配線板用電解銅箔は,5G関連需要の立ち上がりにより通信インフラ向けの需要が堅調であったことから販売量は増加した。この結果,売上高は前連結会計年度に比べて増加した。なお,COVID-19の影響により,2020年3月18日から海外子会社であるMitsui CopperFoil(Malaysia)Sdn.Bhd.の操業を停止していたが,在庫販売による受注対応に加えて,日本ならびに台湾の生産拠点による緊急支援を実施したことから,当連結会計年度の業績に与える影響は軽微であった。5スパッタリングターゲット主力のディスプレー用スパッタリングターゲットは,国内の需要は前連結会計年度並みであったものの,海外主要顧客の生産調整により販売量が減少した。また,主要原料であるインジウムの価格は下落基調で推移したこと等から販売価格は下落した。この結果,売上高は前連結会計年度に比べて減少した。以上の結果,当部門の売上高は,前連結会計年度に比べて23億円(1.4%)増加の1,678億円となったが,一方で,主要製品の一部の販売量が減少したことに加え,為替差損益が悪化したこと等により,経常利益は前連結会計年度に比べて32億円(19.3%)減少の133億円となった。(2)対処すべき課題(機能材料部門)当社グループは,「機能材料,金属,自動車部品の3事業を核に,成長製品・事業を継続的に鉱山第787号2020年8・9月-162-