ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

(金属事業の業績)金属事業の売上高は,前年同期比3.6%減の1兆44億円,営業利益は446億円(前年同期は682億円)となった。在庫影響を除いた営業利益相当額は,新型コロナウイルスの感染拡大により世界的な景気後退が懸念されて銅価格が大きく下落した影響等により,前年同期比202億円減益の479億円(前年同期は681億円)となった。(2)対処すべき課題金属事業電子材料をはじめとする素材事業については,高機能・高付加価値製品の材料供給により社会の発展に貢献すべく,通信・デジタル,モビリティ,ヘルスヘア機器,次世代電池の各分野における先端素材ニーズを捉え,社会が求める素材を適時に供給し続けることを目指す。まず,5G対応デバイスの普及やメモリー分野の回復に伴う需要増を確実に取り込むとともに,製品改良による高機能化・高付加価値化を推進する。加えて,M&A,オープンイノベーション等を積極的に活用し,「次の柱」となる事業を発掘・育成する。(3)研究開発活動金属事業1薄膜材料分野薄膜材料分野では,高純度化技術及び材料組成・結晶組織の制御技術をベースに,半導体・電子部品用途向け製品に関する開発を進めている。半導体用ターゲット,フラットパネルディスプレー用ターゲット,磁気記録膜用ターゲット等の各種スパッタリング用ターゲットや,その他電子材料における新規製品開発及び関連プロセスの技術開発に継続的に取り組んでいる。2機能材料分野機能材料分野では,コネクタ等の用途に,精密な組成制御,独自の圧延加工プロセス及びユーザーニーズに適合した評価技術を用いて,強度・導電性・加工性・耐久性に優れた高機能銅合金の開発を進めている。次世代材料として,コルソン系及びチタン系新規銅合金の開発等,更なる高機能製品化に取り組んでいる。また,プリント配線板材及びシールド材用途では,屈曲性,エッチング性,密着性等の高い機能を付加した銅箔等の開発・バージョンアップを進めている。3基盤技術開発分析及びシミュレーションについて最先端技術の導入・開発を進め,それらを駆使することにより技術開発の促進・効率化を図っている。金属事業の研究開発費は,98億67百万円である。(DOWAホールディングス)(1)業績(電子材料部門)半導体事業は,スマートフォン向けLEDの需要が低調に推移した。電子材料事業は,太陽光パネル向け銀粉の中国市場向けの需要回復が継続した。機能材料事業は,顧客での在庫調整によりアーカイブ用データテープ向け磁性粉の需要が減少した。新規製品については,導電性アトマイズ粉やナノ銀粉などの特性向上と量産化に注力し,研究開発費が増加した。これらの結果,当部門の売上高は前期比51.2%増の982億26百万円,営業利益は同51.3%減の10億60百万円,経常利益は同23.5%減の24億3百万円となった。(2)対処すべき課題(電子材料部門)・半導体事業では,ウェアラブル機器向けの近赤外LEDの顧客認定取得と量産設備の建設・電子材料事業では,新型太陽光パネル向け銀粉の拡販,導電性アトマイズ粉の拡販・機能材料事業では,次世代のアーカイブ用データテープ向け磁性粉の拡販,燃料電池材料の拡販・研究開発では,ナノ銀粉の拡販など新規製品の早期事業化(3)研究開発活動(電子材料部門)グローバルな競争,流動的な経済情勢の中で,-161-鉱山第787号2020年8・9月