ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

新材料1.各社の業績,課題,技術動向2019年度の有価証券報告書から非鉄金属鉱業各社の動向をみるとともに,非鉄金属鉱業各社が扱っている新材料を同上報告書等からピックアップし,表1に示した。各社別の動向を下記する。(三菱マテリアル)(1)業績(高機能製品)銅加工品は,自動車向け製品及び半導体関連製品の販売が減少したことから,減収減益となった。電子材料は,機能材料及び電子デバイス製品の販売が減少したことに加えて,多結晶シリコン製品の製造コストの増加等により,減収減益となった。アルミ製品は,飲料用の通常缶・ボトル缶及び圧延・加工品である自動車向け押出製品・熱交板材等の販売が減少したことから,減収減益となった。以上により,前年度に比べて事業全体の売上高及び営業利益は減少した。経常利益は,営業利益が減少したことから,減少した。(2)対処すべき課題(高機能製品)高機能製品の主要市場である自動車・半導体関連の需要は,次世代自動車や大容量通信の普及により,中長期的に増加することが期待される。しかしながら,新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響により,自動車や半導体関連製品の需要の減少が懸念されることから,経済情勢や市場環境の動向を注視していく。このような状況のもと,銅加工品については,2020年4月1日付で三菱伸銅㈱を吸収合併した。同社との合併効果を最大限発揮するとともに,マーケティングや研究開発,販売体制の強化,生産能力の拡大を進め,開発・製造・販売が一体となって高付加価値製品を提供し,収益力を強化していく。電子材料は,次世代自動車,半導体,エレクトロニクスを中心とする成長性の高い産業に,材料技術により付加価値を高めた製品を提供することで,持続的に成長する高収益事業体となることを目指していく。また,多結晶シリコンについては,厳しい事業環境が続くことが見込まれるが,安全・安定操業と品質向上に加え,徹底したコスト削減により収益力を強化していく。アルミの圧延・加工品は,次世代自動車の普及により,中長期的な需要の増加が期待される。しかしながら,新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響により,主要顧客の生産活動の低迷等が懸念されることから,経済情勢や市場環境の動向を注視していく。このような状況のもと,アルミの圧延・加工品は,継続的に需要が見込まれる缶材の増販や,リチウムイオン電池箔の増販及び生産設備への投資の推進を実施するほか,自動車向け熱交板材・押出加工品事業の強化を進めていく。また,コスト競争力を強化することにより競争力のある企業体質を構築するとともに,安定した収益確保と持続的な成長を実現するため,生産安定化及び事業・製品の選択と集中を推進していく。(3)研究開発活動(高機能製品)銅加工事業の研究開発は,当社の中央研究所及び銅加工部技術室銅加工開発センターを中心として,堺工場や三菱伸銅㈱と連携のもと,基盤技術の強化や製造プロセスの改善や新規銅合金の開発等をテーマに研究開発を行っており,主な内容は次のとおりである。・端子コネクター用銅合金の開発と量産化・各種シミュレーション技術の開発と応用(鋳造/加工/組織制御)・ROX素材を生かしたプロセスと商品開発(※ROX:SCR法により製造される無酸素銅荒引銅線)電子材料事業の研究開発は,当社の中央研究鉱山第787号2020年8・9月-156-