ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

心的な「ビジョン」の実現には,経済界のみならず,国,地方自治体,教育・研究機関,家庭部門といった国民各層が国を挙げて,これまでの延長線上にない様々なチャレンジに取り組んでいく必要がある。』という認識でのパブリックコメントが示された。当協会の地球温暖化対策に係る長期ビジョンのあり方についても,パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略や経団連からの提言・パブリックコメントなどを踏まえ,委員会活動を通して検討策定することとしている。(3)地球温暖化対策に関する政策的コスト負担の抑制2019年11月日本鉄鋼連盟より,『民主導のイノベーションを通じた温暖化対策を目指して』と題し,地球温暖化対策のための税負担の拡大に反対する趣旨の共同要望への賛同要請があり,賛同を表明した。我が国の最重要課題は経済再生の実現であり,2019年6月に閣議決定された「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」においても,民主導のイノベーションを通じた「環境と成長の好循環」の実現が目指されている。こうした中,環境省は2020年度税制改正要望において,「税制全体のグリーン化の推進」として,現行の地球温暖化対策税を着実に実施することなどの要望に加えて,今回新たに,カーボンプライシングに関する専門的・技術的な議論を進める旨,盛り込んでいる。経済界は,引き続きカーボンプライシングの一類型である炭素税の導入・拡大といった,地球温暖化対策のための税負担の拡大及びその具体化に向けた議論に反対する立場での要望活動を継続した。当協会は,動きが加速している昨今の政府動向,経団連をはじめとする地球温暖化防止対策に関する産業界の対応を注視し,過度な政策的コスト負担が強いられることがないよう意見具申,鉱業政策要望を行った。a.地球温暖化対策計画への対応政府は,2016年5月,「日本の約束草案」を踏まえ,「地球温暖化対策計画」を決定した。「地球温暖化対策計画」は,中期目標として2030年度に地球温暖化ガスを2013年度比で26%削減することについて,各主体が取り組むべき対策や国の施策を明らかにし,削減目標達成への道筋を付けるとともに,長期的目標として2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すことを示した。当協会としては,政府の地球温暖化対策計画,経団連の低炭素社会実行計画の方向との整合を図り,1グローバルな貢献,2製品・サービスのライフサイクルや企業のバリューチェーンを通じた貢献,3イノベーションの創出,など環境と経済の両立,不確実性に柔軟に対応できる仕組みの構築,長期目標である2050年80%削減の方向性の明確化,そしてエネルギー政策等との整合性を踏まえ省エネ部会電気委員会合同会議での活動を通して継続実施した。さらに,政府の地球温暖化対策計画,経団連の低炭素社会実行計画の方向を視野にフォローアップを継続し,『S+3E』(安全性を大前提に,エネルギー安定供給,経済効率性,環境適合性を確保)の同時達成へ最大限取り組む方針の下,環境と経済の両立,不確実性に柔軟に対応できる仕組みの構築や,長期目標として示された2050年80%削減の方向性の議論を注視し,長期的にも,経済効率性を確保したバランスの取れた地球温暖化対策を要望していくこととしている。また,「国内排出量」や「炭素税」等のカーボンプライシングについて,それぞれの議論と政府の長期統合戦略の方向性を意識し,電力多消費業界及びものづくりを代表する業界とも連携し要望活動を推進する。3.3低炭素社会実行計画の取り組み経団連は,「わが国産業界は,世界最高水準の低炭素技術の開発・実用化をさらに進め,環境と経済が調和する低炭素社会の実現に向け世界鉱山第787号2020年8・9月-148-