ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

山・製錬部門の電力使用量・電気料金に関する調査の結果,2019年度の電気料金は,前年度比1.3%増の569億円であった(図4参照)。また,2019年度の電気料金は,東日本大震災前の2010年度比40.5%増の164億円増となった。平均電気料金単価については,震災前の2010年度比30.9%増の10.42円/kWhであり,2018年度から安価に振れた。これは,2016年夏から石油価格に続いてLNG価格,石炭価格が上昇しているものの,各事業所での安価電力の選択が進んだことが影響している。図4電気料金の推移再生可能エネルギーの普及拡大に伴うFIT賦課金単価上昇が一服し(表2参照),石油,天然ガスの価格が下降トレンドに転じて燃料調整負担も軽減になったものの(図5参照),鉱石品位の低下や定修など生産効率の悪化が,増額要因となったと考えられる。表2賦課金単価の推移年度2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020賦課金単価(円/kWh)0.22 0.35 0.70 1.58 2.25 2.64 2.90 2.95 2.98図5燃料価格及び燃料費調整負担額の推移1.5電気料金値下げのための要望活動非鉄金属製錬各社は,国際競争力を維持するため,コスト削減等の継続した経営努力を進めているが,大手電力の電気料金の高止まりや毎年増え続けるFIT賦課金は,損益への多大な負担となっている。日本鉱業協会は,会員企業の意向を踏まえながら,関係省庁,衆参両院の関係議員及び大手電力に国際的に遜色のない低廉な価格水準での安定的な電力供給の実現を要望している。また,日本鉄鋼連盟他,ものづくりを業とする電力多消費産業と連携し,強力に要望活動を進めている。2015年7月に政府が策定したエネルギーミックスは我が国のエネルギー政策の転換となる重要案件であることから,当協会は,経済界・電力多消費産業団体と連携して政府及び与党有識者に対して要望活動を行ってきた。2019年度では,日本鉄鋼連盟の提唱に賛同し,ものづくりに係る電力多消費業界団体が連名し業界を越えた要望活動を展開した。具体的には,電気やエネルギーの使用者である製造業に対して最も影響の大きい「経済効率性」,特に電力コストの部分にものづくり業界団体が一丸となって,需要家の立場からコストの重要性を関係各方面に訴えるべく,日本鉄鋼連盟からの共同要望活動の要請へ賛同し,2020年2月には『発電側基本料金制度に関するFIT電源への調整措置について』と題した要望趣旨にて,具体的な共同要望活動を進め,業界団体トップ・役員による強力な要望活動を行った。また当協会単独では,会長記者会見,鉱業政-139-鉱山第787号2020年8・9月