ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

電気事業法,再エネ特措法,JOGMEC法を一部改正するものである。第201回通常国会に提出され,災害関連の措置を除き2022年4月からの施行予定となっている。1.2電気事業者の2019年度実績(1)大手電力会社の電力需給量及び2018年度決算状況資源エネルギー庁の2019年度電力調査統計結果概要によると,新電力を含む電気事業者の販売電力量は,対前年度比1.9%増の8,361億kWhであった。旧一般電気事業者(大手電力)の販売電力量は,7,188億kWhで,9年連続で前年度実績を割り込む一方,新電力の販売電力量は,1,291億kWhで,販売シェアは,前年度の14.4%から15.4%に上昇した(販売電力全体に占める2019年度の特別高圧の割合が5.5%,高圧の割合が23.0%,低圧の割合が15.6%)。2016年4月の電力小売りの全面自由化から4年を経過し,大手電力会社から新電力会社への切り替えが進んでいる。2019年度に関しては,特別高圧・高圧は,若干減少,低圧はやや増加となり,増加傾向の中でほぼ同等となっている。億kWh9,5009,0008,5008,0007,5007,0006,5009,1949,0648,894 8,8898,8268,585 8,5988,5168,4858,2307,9717,8347,6087,4017,188(各大手電力会社,電気事業連合会,資源エネルギー庁のHPからのデータを基に作成)図1年度別電力需要実績(10社計)2019年度の大手電力会社10社の決算情報を下表に示す。電力需要(販売電力量)は減少を受け,10社中7社が減収となった。各社は経営効率化を図っており,燃料費調整のタイムラグによる影響があるものの,東京電力と九州電力を除く8社が経常増益となった。大手電力表1大手電力各社の2019年度決算概況売上高(億円)売上高前年度比増減率(%)経常利益(億円)経常利益前年度比増減率(%)販売電力量(億kWh)販売電力量前年度比増減率(%)北海道7,484▲0.53268.12374.1東北22,4630.199952.1672▲2.5東京62,414▲4.52,640▲4.52,223▲3.5中部30.6591.01,634105.81,172▲0.9北陸6,2801.8232249.1251▲3.9関西31,842▲3.72,1153.91,130▲4.1中国13,473▲2.2398214.1502▲5.2四国7,331▲0.627911.2224▲3.9九州20,130▲0.2400▲23.8704▲2.5沖縄2,042▲0.69378.473▲1.8合計204,123▲1.19,40318.87,188▲2.9(各大手電力のHPからのデータを基に作成)(2)原子力発電所の再稼働状況2019年度での原子力発電所の再稼働は,電力料金引き下げに寄与が大きく,また2020年のベースロード電源としての期待もあり,産業界からの加速要望にもかかわらず,スムーズに進んでいない状況が続いている。震災後9年が経過し,2020年3月現在,規制委員会の審査に15基が合格し,内9基が再稼働したが,2019年度内での再稼働はなかった。今後も,燃料調整費の上昇トレンドやFIT賦課金の積み上がりもあり,震災前からは大きく高止まりし,状況は益々悪化してきた。また,停止している原子力発電所のうち,現在再稼働しているのは全てPWR(加圧水型原子炉)であり,今後BWR(沸騰水型原子炉)の再稼働が進むか否か注目される。一方,再稼働した原発の運転差し止めの仮処分決定が地裁レベルで複数なされている際,高裁レベルでは取り消されているものの,さらに運転差し止めを求めた仮処分申請の即時抗告審で,高裁が住民側請求を認め,運転差し止めを決定するという,司法リスクも依然として存在する。(伊方3号機)-137-鉱山第787号2020年8・9月