ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

ページ
137/214

このページは 鉱山2020年8・9月号 の電子ブックに掲載されている137ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2020年8・9月号

JIS H 1121(鉛地金分析方法)及びJIS H 1123(鉛地金の光電測光法による発光分光分析方法)について,ICP-OES法の正式採用,引用規格の改正や廃止により規格の見直しが必要となったため,改正活動を実施した。2020(令和2)年に改正版が発行される予定。Ⅲその他の標準化事業2019(平成31)年度に実施した事業は次のとおりである。・経済産業省助成戦略的国際標準化加速事業「銅,鉛及び亜鉛精鉱中の銀,ひ素,カドミウム及びふっ素定量方法に関する国際標準化」・一般財団法人日本鉱業振興会助成「効率化を考慮した鉱石分析方法の統一化,標準化に関する研究」・JISの見直し調査日本鉱業協会が管轄するJISについて見直し調査を実施し,2020(令和2)年度にJIS M 8124(鉱石中の亜鉛定量方法),JIS M 8132(鉱石中のひ素定量方法)及びJIS M 8135(鉱石中のカドミウム定量方法)について改正作業を行うこととした。すでに2020(令和2)年3月に公募書類を提出し,改正作業を開始しているが,新型コロナウイルス禍の影響により,分科会はメール審議で行われており,今後Web会議の開催も検討している。エネルギー・工務1.電力問題への対応東日本大震災による原子力発電所事故を契機に,電気料金の値上げや需給逼迫の問題が浮き彫りになり,従来の地域独占による電力需給システムの限界が明らかになった。国は,電力市場を自由化するとともに,広域で電力を融通する仕組みを強化し,非常時の電力の安定供給を確保するべく「電力システム改革」を実行してきた。そして,2020年の発送電分離に向けて本格的に電力システム改革が進められた。そのような電力事情の中,中国の景気減速や非鉄金属価格の大幅な下落から非鉄金属製錬業界(以下,当業界)の事業環境は,低迷を続けており,経営環境は,厳しさを増している。電気料金はいまだ震災前の水準に戻っておらず,このままでは製錬所の競争力が喪失し,国内製錬所は,危機的状態に陥ることも懸念されることから,「電力問題」への対応は,当業界にとって最重要課題のひとつである。日本鉱業協会は,「低廉で安定的な電力の確保」を「鉱業政策の確立に関する要望」として掲げ,会員企業と共に電力問題に取り組んでいる。1.1国内のエネルギー政策2018年7月に「第5次エネルギー基本計画」が閣議決定された。エネルギー基本計画は,2002年6月に制定されたエネルギー政策基本法に基づき,2003年10月から策定されている。その内容は「3E+S」の「安全性(Safety)」を大前提とした,「エネルギーの安定供給(Energy Security)」「経済効率性の向上(Economic Efficiency」による低コストでのエネルギー供給,「環境への適合(Environment)」を同時達成するというものである。およそ3~4年ごとに見直され,前回2014年度の第4次見直し以来4年ぶりの改定となる。今回のエネルギー基本計画では,常に踏まえるべき点として「東京電力福島第一原子力発電所事故の経験,反省を教訓に肝に銘じて取り組むこと」などを原点として検討が進められ,中長期戦略としての2030年,2050年の双方を見据えた方針が示された。2030年に向けた対応としては,現時点で3E+Sを同時に満たす単一エネルギー源は存在しないことを認識し,2015年に策定されたエネルギーミックスを着実に実現していくという,従来方針は維持されている。このための施策としては,-135-鉱山第787号2020年8・9月