ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

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概要

鉱山2020年8・9月号

た後に新業務項目提案(以下,NP)を行い,規格化を目指す予定である。・WG23:銅,鉛,亜鉛,ニッケル精鉱中のカドミウムの定量方法(コンビナー:中国)銅,鉛及び亜鉛精鉱中のカドミウムの定量方法を作業原案(以下,WD)19976-1:AAS法,WD19976-2:ICP-OES法としてISO化を検討してきたWGである。日本はWD 19976-2(ICP-OES法)へのマトリックスマッチング及び簡便法の採用を提案し,これらを規格に盛り込むことに成功した。2019(令和元)年7月にISO 19976-1,ISO19976-2ともに発行され,本WGは活動終了となった。現在,これをJIS M 8124(鉱石中の亜鉛定量方法)及びJIS M 8135(鉱石中のカドミウム定量方法)に盛り込むべく,改正原案の作成活動を行っている。・WG16:銅,鉛及び亜鉛精鉱中のふっ素の定量方法(コンビナー:日本)日本鉱業協会規格のアルカリ融解-直接イオン電極法をベースとした国際規格の制定を目指している。本法は,特別な分析装置が無くても分析が可能な方法であり,海外の鉱山をはじめとして広く国際的に適用可能で受け入れやすい分析手法であると考えられる。2018(平成30)年度に国内で共同実験を実施し,国際規格としての提案に堪え得る分析方法の技術的確認のためのバックデータを蓄積し,2019(平成31)年3月のシドニー会議にて本法の具体的な分析方法案や分析精度等についての報告を行うとともに国際共同実験の実施を提案し,これが認められた。2020(令和2)年1月には,各国から寄せられたコメントに基づき修正を行ったWDを登録し,その後NP投票が開始された。今後,StageB国際共同実験を実施し,その結果を2020(令和2)年度に開催されることとなっている国際会議で報告する予定である。2その他のWG及びSGの活動状況その他のWG及びSGの活動状況は,以下の通りである。・WG9:サンプリング,試料調製及び水分測定方法(コンビナー:オーストラリア)ISO 12743(硫化精鉱の成分分析,水分測定のサンプリング方法)について,2019(平成31)年3月に開催されたシドニー会議にてマニュアルサンプリングの方法の規定の不明確な部分について修正を行うこととなり,日本はこれに同意した。その後,追補の国際規格案(以下,DIS)投票が2020(令和2)年2月に行われたが,2020(令和2)年5月には追補から新版2020に切り替える投票が実施され,承認された。予備業務項目(以下,PWI)20212(鉱石及び製錬残渣のサンプリング方法)については,シドニー会議にて,本方法は進捗していない状況であるため規格の制定に関して議論となった。日本は「あまりにも多種類の対象物を1規格に盛り込んでいることから,規格を分割すること」及び「国際商取引上の物量が僅少であるためISO化の必要はない」と主張,その他各国からも意見が出された結果,1鉱石,2スライム及び残渣,3中間生成物(スラグ)の3つのパートに分けて規格化することとなった。2019(令和元)年10月にPWI 20212-1:鉱石のサンリング方法,PWI 20212-2:スライム及び残渣のサンプリング方法,PWI 20212-3:製錬生成物のサンプリング方法の投票があり,WDの作成段階から始めることが承認された。今後,委員会原案(以下,CD)またはDIS作成に対して日本の意見を反映させる。・WG10:統計計算,コンビナーズマニュアル(コンビナー:ブラジル)武漢会議にて,以下の2部構成(WG及びSG運営方法,統計解析)とする提案がなされた。Part1:TC183のスコープ,ドキュメントの編集,ISO規格化段階,WG及びSGの運営方法(各種書式,適用される典型的な対象品目の含有率レベル等を含む)Part2:試料の均一性,検量線(分析条件の評価,測定範囲試験,直線性試験),共同実験評価,併行精度-再現精度,精度評価,正確さに関する試験鉱山第787号2020年8・9月-128-