ブックタイトル鉱山2020年8・9月号

ページ
114/214

このページは 鉱山2020年8・9月号 の電子ブックに掲載されている114ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2020年8・9月号

財務非鉄大手8社2019(令和元)年度連結決算概況<業界全体>当期における世界経済は,米国では堅調に推移したものの,中国が米中貿易摩擦の影響で減速し,欧州も力強さを欠いたことから,総じて成長が鈍化し,さらに,期末にかけて,新型コロナウイルスの感染拡大により急激に悪化した。アジア地域では,中国において景気の減速が続いたほか,タイやインドネシアにおいても経済成長に鈍化傾向がみられた。また日本経済は,上半期は緩やかな回復基調で推移したものの,下半期に入ると弱含みの様相を呈し,さらに,新型コロナウイルスの感染拡大に起因した経済活動の停滞により急激に落ち込んだ。非鉄金属相場は,LME(ロンドン金属取引所)銅価格は,期初は6,498ドル/トンであったが,新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気悪化懸念により大きく下落し,当期末時点では4,797ドルとなった。同様に亜鉛も,前期末は3,018ドル/トンであったが,当期末時点では1,867.5ドルとなった。しかし,その一方で貴金属は高騰した。為替相場は,世界的な景気減速に加え,日米間の金利差が縮小したことなどを背景に,概ね円高ドル安で推移したことで,平均為替レートは前期と比べ円高となった。(前期平均110.92円/ドル,当期平均108.74円/ドル)このような事業環境の中,非鉄大手8社の2019(令和元)年度連結決算は,8社合計で(JXTGホールディングス㈱は金属セグメントのみ)売上高は前年同期比△5.0%の減収となる4兆9,827億円となった。また親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比△89.7%の大幅減益となる138億円となった(営業利益及び経常利益は,IFRSの任意適用により算出していない会社があるため,集計していない)。これは対前年度比でニッケルや貴金属の価格が上昇したものの,銅や亜鉛などの価格が下落したことに加え,自動車関連や電子材料の需要減少などによる経常損益の減少と,特別損益の部に計上される減損損失の額の増加によるものである。2020(令和2)年度の業績予想は,通常であれば年度決算の発表時に公表されるが,新型コロナウイルスの影響で非鉄大手8社中5社が未定(今後,合理的に見積もることが可能となった時点で,速やかに公表)とした。以上鉱山第787号2020年8・9月-112-