ブックタイトル鉱山2020年8・9月号
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鉱山2020年8・9月号
テルル(テルリウム)1.価格指標テルルは相場商品ではなく取引量もわずかである。そのため価格情報も極めて限られているが,専門誌の記事その他の調査によると,2019年現在,地金でおよそ$50/kgから$60/kg程度である。価格動向については2018年の$80/Kg前後から低落基調との情報が多い。2.世界の需給世界のテルル地金生産量,消費量に関する統計はない。USGS(米国地質調査所)の2020年1月の年次報告によると,2019年の世界のテルル生産量は約470tである。世界最大の生産は中国で年間生産量は290t,次いでカナダ,ロシア,スウェーデンなどがテルル生産国となっている。テルル地金生産の大半は,銅地金生産に伴う副産物であるため,USGS報告外においても,世界の主要な銅製錬所で副産物精製プラントを保有している事業者はテルル生産者である可能性が高い。テルルの用途は,テルル化カドミウム電池として太陽光発電用のパネル表面に貼るフィルム状の素材や,快削性を向上させるための鉄合金用途が有名であるが,その他の合金用途向け用途なども知られている。3.国内の需給と輸出入日本のテルル地金生産も,すべて銅製錬の副産物である。表1に国内需給を示した。国内のテルル生産量は,2019年は65tであるが,副産物であるため銅原料中のテルル含有量次第である。テルル需要は,5年間の推移をみると,おおむね年間50t程度である。輸出入状況は表2のとおりであるが,政府統計は“ほう素”とテルルの合算値であるため,テルルのみの貿易状況を把握することはできない。過去の情報によれば,輸入の多くは“ほう素”,輸出の多くは“テルル”とのことであるが詳細は不明である。テルルの主要な貿易相手国は,中国,韓国,ドイツ,カナダであるが,需給状況と同様に詳細は不明である。表1テルル国内需給表(単位t)項目/暦年2015年2016年2017年2018年2019年平成30/令平成27年平成28年平成29年和元年令和2年期初在庫61715914生産3428345565輸入(注)6749453127供給計106949495106内需(見掛値)8053503758輸出(注)926364422期末在庫171591426(注)輸出入は「ほう素及びテルル」の合計値出所:財務省貿易統計および日本鉱業協会調べ鉱山第787号2020年8・9月-110-