ブックタイトル鉱山2020年7月号

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概要

鉱山2020年7月号

国際情報2020年国際銅研究会Insight日本鉱業協会企画調査部1.はじめに3月19日,WHOは2009年のH1N1(所謂,鳥インフルエンザ)以来の,COVID-19の世界的規模での感染爆発を宣言した。COVID-19による感染者数,死亡者数は急激な上昇を続けており,既に脆弱だった世界景気に衝撃を与えた。例年春にポルトガルリスボンで行われる国際銅研究会(ICSG)はCOVID-19の感染拡大と移動制限の影響を受けて2020年3月16日に中止が決定された。同時に,半期ごとに行っている春季の需給予測に代わり,ICSG独自の調査に基づくCOVID-19の銅需給に対する影響をICSGInsightとして示した。2.COVID-19感染拡大が銅産業に及ぼす影響についてCOVID-19感染拡大は,銅産業にかつてない試練を与えた。責任ある操業者である企業は,関連分野の専門家の助言に従い鉱山,製錬所での衛生環境を保持する必要がある。政府には従業員の安全と健康を守れる水準の操業計画への見直し,キャッシュフローの確保,資本の減少と費用拡大への対応,労働者のリストラと地域コミュニティの保護する規則の設置等への対応をする必要がある。各国専門家がコロナに関してどの程度の衛生対応策を提示するか,また政府がどの程度それらを採用するかは,採掘・製錬事業が各々の国において戦略的セクターに位置付けられているか否かに関わらず,銅産業に大きな影響を与えた。一部の国々においては,採掘と精錬は経済活動における重要なセクターであると考えられており,COVID-19感染拡大の影響下でも操業が許可された。アメリカ合衆国,チリ,オーストラリア等の国々が,その例に挙げられる。そうでない国々においては,銅産業も閉鎖されるか,パナマのように操業を制限させられた。鉱山製錬産業の重要性は銅産業を含めて広く認知されており,今回のような事態にもかかわらず操業継続すべきとされている。大部分の操業がコンピュータにより自動化されており,作業員が小さな部屋に密閉される必要がなく,衛生面の規則やソーシャルディスタンスが推奨されている中でも大きなマイナス影響なく操業が可能である。また,銅産業は,医療機器,電線,ケーブル,スマートホン,PC,車,冷蔵庫等他の重要な製造業でのラインを止めないために必要である。しかしながら,自国での操業が許可されていたとしても,各々のサプライチェーンの中での輸出入に大きく依存しており,完全な産業のロックダウン,港湾など,輸送のストップによる物流の遮断に影響される。例えばマレーシアのリサイクル産業のストップにより,中国でのスクラップ輸入が減少した。その他の例で言えば,逆に操業に必要な物品流れが止まり,生産に遅れが出たモンゴルのオユトルゴイ鉱山が挙げられる。世界の報道では,COVID-19の感染拡大で操業に影響を受けた一部のニュースに焦点が当てられているが,大部分は操業を続けているか限定的な減産をするかである。世界的規模では,銅の操業レベルは政府の規制緩和とともに徐々に回復すべきであるが,オペレーションの中での-1-鉱山第786号2020年7月