ブックタイトル鉱山2020年6月号

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概要

鉱山2020年6月号

制度における更なる金額の拡充などの支援の強化を要望する。b)海外地質構造調査2003(平成15)年度及び2004(平成16)年度にそれぞれ創設された「共同資源開発基礎調査(JV基礎調査)」及び「戦略的鉱物資源確保事業(戦略調査)」は,JOGMECが海外企業のプロジェクトに参入して取得した権益を,入札により日本企業に引き継ぐことを目的としており,我が国の先導的,戦略的探鉱事業として極めて重要である。海外探鉱を行う日本企業は,これらの調査事業を活用して探鉱活動に取り組んでおり,今後も本調査事業の継続及び更なる拡充をお願いする。このJOGMEC調査事業に加え,日本企業の海外鉱山開発に繋がり日本の資源確保に大きな役割を果たしてきた「海外地質構造調査」は2012(平成24)年度に制度が改正され,日本企業がオペレーターであるプロジェクトに対しJOGMECが調査費の一部を負担することで権益の一部を取得する形となっている。また,2007(平成19)年度に創設された「海外ウラン探鉱支援事業」により,海外においてウラン探鉱を行う日本企業の探鉱リスクは軽減され,海外におけるウラン探鉱・開発の促進に大きく寄与している。更には,暫く中断していた「海外共同地質構造調査」についても2016(平成28)年度より再開され,日本企業による海外探鉱に対しては厚く支援を頂いているところである。中でも「海外ウラン探鉱支援事業」並びに「海外共同地質構造調査」の制度については,2019(令和元)年に改正され,探鉱対象の奥地化,深部化及び鉱石の低品位化,難処理化により近年鉱山開発の判断に至るまでの探鉱期間が長期化しているため,原則5事業年度としていた制度の支援期間について,必要があると認められた場合は5事業年度を超えて実施できるようになった。引き続き今後もこれらの支援制度について,継続及び拡充をお願いする。2海外開発資金債務保証,資産買収出資の継続・拡充2010(平成22)年度のJOGMEC法改正により,日本企業が鉱山権益を買収するときにJOGMECが出資できるようになり,さらにJOGMECを通じて政府保証付きの長期借入金を活用できる対象事業が追加され,資金面での支援制度が強化された。また2012(平成24)年度には再度JOGMEC法が改正され,金属鉱物に係る資産買収出資について産投出資(財政投融資特別会計投資勘定)からの資金を活用できるようになった。これらの拡充により,出融資,債務保証における案件選定基準の緩和が期待でき,今後,本制度を利用することにより,日本企業による資源開発の一層の拡大,促進につながるものと考える。非鉄金属価格が低下すれば資源メジャーの資産売却等が起り,現在優良な資源事業を獲得できるチャンスが高い状況となる。今後とも日本企業による資源開発の停滞を避け,資金余力に劣る場合がある日本企業を支えるため,債務保証額の拡充や保証料率の引き下げ,価格低迷時に開発中の既存プロジェクトの一部権益を一時的に取得するなど,リスクマネー利用の強化・拡充をお願いする。また,本制度の運用においては,金属によって各種助成制度の適用比率が異なるため,一元化して頂き(高い方に合わせる),さらには,採掘権の譲り受けに限らない開発段階の資産買収出資制度の導入を要望する。3海外の鉱物資源関連情報の収集と提供の継続・拡充鉱山第785号2020年6月-4-