ブックタイトル鉱山2020年6月号

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概要

鉱山2020年6月号

2.低廉・安定的な電力供給の確保非鉄金属製錬業にとって,原発再稼働の遅れによる電力料金の値上げや,FIT賦課金の拡大による,電気料金負担の影響は極めて大きい。このままでは製錬所の国際競争力が失われ,事業存続の危機が懸念される。国内で資源を安定的に供給するために低廉・安定的な電力の供給が極めて重要である。特に,ベースロード電源の確保が重要であり,安全規制基準に適合する原発の早期再稼働を進めるとともに,FIT賦課金減免措置の維持・拡大を強く要望する。ベースロード電源の一つに位置付けられている地熱エネルギーの導入拡大のための諸施策の拡充も引き続き要望する。3.製錬業の国際競争力の強化国際的に見て遜色ない電力料金の実現のほか,新製錬技術の開発,亜鉛と鉛の用途拡大,製錬副産物としての非鉄スラグの用途拡大,地球温暖化対策を推進するための施策への支援を引き続き要望する。4.「循環型社会の構築」に向けたリサイクル事業環境の整備資源確保の一つの方策としてリサイクルに注力することは重要である。非鉄金属製錬業界は,長年蓄積した技術や操業ノウハウと特有な設備を活用して,金属資源リサイクルの積極推進による「循環型社会の構築」と,産業廃棄物の無害化による環境負荷の低減に大きく貢献している。安定的な物量を確保し,より効率的な操業を可能とするため,「使用済小型家電リサイクル法」の見直しや,産業廃棄物の収集から処分に至るまでの,現行制度の実態に即した改善・整備なども引き続き要望する。5.産学官連携による人材育成非鉄金属製錬業界を取り巻く環境が大きく変化する中で,資源・製錬分野の専門教育を受けた学生を確保することが非常に困難となっている。大学・大学院の資源関連カリキュラムの廃止が進み,さらに,大学の統廃合が進むと,資源・製錬分野の学生が更に減少していくことが危惧される。一方,教育の実践を担う中堅教員層も減少しており,若手指導者の育成も必要である。これらへの対応は急務であるが,個別企業レベルでは限界があるため,産学官連携による具体策のデザインと,国や関係機関による支援策の整備と拡充を引き続き要望する。鉱山第785号2020年6月-2-