ブックタイトル鉱山2020年6月号

ページ
39/54

このページは 鉱山2020年6月号 の電子ブックに掲載されている39ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2020年6月号

2社は減益見通し,東邦亜鉛は在庫評価損益の改善や19年度にあった特殊要因の反動から黒字化見通し。<JX金属㈱…JXTGホールディングス㈱金属セグメント>*JXTGホールディングス全体当期の連結業績について,売上高は前期比10.0%減の10兆118億円,営業損失は1,131億円(前期は5,371億円の利益),親会社の所有者に帰属する当期損失は1,879億円(前期は3,223億円の利益)の最終赤字となった。これは,在庫評価による損失を計上したことや石油・天然ガス開発事業における減損損失の計上による。なお,在庫影響(総平均法及び簿価切下げによる棚卸資産の評価が売上原価に与える影響)を除いた営業利益相当額は967億円(前期は5,157億円)となった。*金属セグメント金属セグメントの当期連結業績は,売上高は,前期比3.6%減の1兆44億円,営業利益は446億円(前期は682億円)となった。在庫影響を除いた営業利益相当額は479億円(前期は681億円)となった。≪資源事業≫カセロネス銅鉱山においては,自動制御プログラムの導入を進めて処理量を向上させるとともに,コスト管理を徹底した結果,前期に引き続き営業黒字を達成し,また,チリのロス・ペランブレス鉱山の操業も順調に推移した。≪銅製錬事業≫三井金属鉱業株式会社との合弁事業運営体制を見直し,2020年4月に,佐賀関製錬所と日立精銅工場を合弁会社(パンパシフィック・カッパー株式会社)からJX金属株式会社の完全子会社に移管した。この体制変更により独自に両拠点を運営できることとなったため,環境リサイクル事業との統合を深化させ,原料構成を最適化するなど,さらなる競争力向上を図る。≪機能材料事業≫スマートフォンの需要調整を主因に,圧延銅箔の販売が低調に推移したものの,薄膜材料事業については,裾野の広い半導体需要に支えられ,厳しい局面下においても半導体用スパッタリングターゲットの販売は堅調さを維持した。両事業については,中長期的にはIoT・AI社会の進展や第5世代通信(5G)の普及による需要の拡大が見込まれることから,これを取り込むべく,スパッタリングターゲット,圧延銅箔及び高機能銅合金条の製造設備増強を進めた。また,高機能金属素材の一層の生産能力増強と安定供給を目指し,2019年8月に,株式会社日本製鋼所と銅合金の溶解及び鋳造を行う合弁会社(室蘭銅合金株式会社)を設立した。≪タンタル・ニオブ事業≫2018年7月に買収したH.C. Starck Tantalumand Niobium社(ドイツ法人)と同社の管理会社であるJX Metals Deutschland社とを合併し,組織の簡素化,意思決定の迅速化など,経営管理体制の強化を図った。≪チタン事業≫東邦チタニウム株式会社が出資するサウジアラビアのスポンジチタン製造合弁事業会社が工場の操業を開始し,2020年1月にスポンジチタンを初出荷した。また,チタン製造技術を応用した電子部品材料である「超微粉ニッケル」については,通信機器の高機能化,自動車の電装化,5Gの普及等による需要増が期待されることから,供給体制を強化すべく,東邦チタニウム株式会社は,2019年10月に若松工場内に新工場の建設を決定した。*業績予想2021年3月期通期の連結業績予想は,新型コロナ感染拡大の各事業への影響は不透明であるものの,上期中は足元状況が継続した前提で,売上高は7兆3,400億円,営業利益は1,100億円,親会社の所有者に帰属する当期利益は400億円を見込んでいる。なお,本見通しは通期平均で原油価格(ドバイ原油);1バーレル当たり30ドル,銅の国際価-37-鉱山第785号2020年6月