ブックタイトル鉱山2020年6月号

ページ
38/54

このページは 鉱山2020年6月号 の電子ブックに掲載されている38ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2020年6月号

政業策界動向2019年度非鉄大手8社連結決算概況日本鉱業協会総務部<業界全体>当期における世界経済は,米国では堅調に推移したものの,中国が米中貿易摩擦の影響で減速し,欧州も力強さを欠いたことから,総じて成長が鈍化し,さらに,期末にかけて,新型コロナウイルスの感染拡大により急激に悪化した。アジア地域では,中国において景気の減速が続いたほか,タイやインドネシアにおいても経済成長に鈍化傾向がみられた。また日本経済は,上半期は,緩やかな回復基調で推移したものの,下半期に入ると弱含みの様相を呈し,さらに,新型コロナウイルスの感染拡大に起因した経済活動の停滞により急激に落ち込んだ。相場環境については,LME(ロンドン金属取引所)銅価格は,期初は1トン当たり6,498ドルであったが,新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気悪化懸念により大きく下落し,当期末時点では1トン当たり4,797ドルとなった。同様に亜鉛も,前期末は1トン当たり3,018ドルであったが,当期末時点では1トン当たり1,867.5ドルとなった。しかし,その一方で貴金属は高騰した。為替相場は,世界的な景気減速に加え,日米間の金利差が縮小したことなどを背景に,概ね円高ドル安で推移したことで,平均為替レートは前期と比べ円高となった。(前期平均110.92円/ドル,当期平均108.74円/ドル)このような事業環境の中,非鉄大手8社の2019年度連結決算は,8社合計で(JXTGホールディングス㈱は金属セグメントのみ)売上高は前年同期比△5.0%の減収となる4兆9,827億円となった。また親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比△89.7%の大幅減益となる138億円となった(営業利益及び経常利益は,IFRSの任意適用により算出していない会社があるため,集計していない)。これは対前年度比でニッケルや貴金属の価格が上昇したものの,銅や亜鉛などの価格が下落したことに加え,自動車関連や電子材料の需要減少などによる経常損益の減少と,特別損益の部に計上される減損損失の額の増加によるもの。2020年度の通期業績予想については,新型コロナウイルスの影響で8社中5社が「未定」とした。公表した3社のうちJX金属,三井金属の2019年度大手8社連結決算(単位:百万円)JXTGHDJX金属三菱マテリアル三井金属鉱業住友金属鉱山DOWAHD古河機械金属東邦亜鉛日鉄鉱業合計(※4)売上高10,011,7741,004,4131,516,100473,109872,615485,130165,21597,445117,5024,731,529営業利益(※1)△113,06144,63137,95213,037-25,9558,693△14,2177,576-経常利益--49,6109,318-28,9968,135△14,4378,012-税引前利益(※2)△135,764-△40,4985,79479,03528,7627,280△17,9007,655-当期純利益(※3)△187,946 16,600△72,850 1,566 60,600 17,395 4,431△18,364 4,518 13,896※1:JXTGHDおよびJX金属の営業利益は,IFRS基準による表示※2:税引前利益は,「税金等調整前当期純損益(IFRSの場合は,税引前利益)」を表示※3:当期純利益は,「親会社株主に帰属する当期純利益(IFRSの場合は,親会社の所有者に帰属する当期利益)」を表示JX金属は,IR資料から億単位の数値を取得※4:合計は,JX金属のみを集計対象とし,8社すべてが公表している項目(売上高,当期純利益)のみを表示鉱山第785号2020年6月-36-