ブックタイトル鉱山2020年6月号

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概要

鉱山2020年6月号

(1)使用済小型家電リサイクル法の見直し小型家電リサイクル法は,関係者が協力して自発的に回収方法やリサイクルの実施方法を工夫しながら,それぞれの実情に合わせた形でリサイクルを実施する促進型の制度として2013(平成25)年4月1日に施行された。近年,中国の廃棄物輸入規制の影響による廃プラ処理コストの上昇や金属資源価格の変動,さらには人件費や輸送費の増加等により,使用済小型家電リサイクル制度を取り巻く環境は厳しさを増してきていることから,以下のとおり制度の見直しを要望する。1)品目の見直し小型家電のうち携帯電話,小型ゲーム機や音響・映像関連家電等には有価金属が比較的多く含まれているが,リビング機器等は含有する有価金属の割合が少なく原料というよりはむしろ廃棄物となるものも多い。よって,全ての小型家電を同じように取り扱うと事業性の低い回収物となってしまうことから,高品位有価物と低品位有価物に品目を分け,取り扱い方(集荷方法,コスト負担等)を変えることを検討することを要望する。2)コスト負担の仕組みの検討及び技術開発支援前述のように有価金属含有率の少ない小型家電は廃棄物扱いとなる他,小型家電から生まれる廃プラはミックス品で高度な選別が必要である。高度なリサイクルを実現するには,多大なコストがかかることから,他のリサイクル法同様,小型家電リサイクル法においても生産者や消費者負担となる仕組みの検討をお願いしたい。また,現状,高度な選別技術を有している認定事業者は限られていることから,選別技術開発の継続的な支援も併せて要望する。(2)循環型社会構築のための施策推進非鉄金属製錬業等の既存産業がリサイクルビジネスを行う上で,一層の効率的事業運営ができるよう諸制度の見直しをお願いする。1)産業廃棄物処理業の優良化推進と優遇措置の拡大優良産廃処理業者認定制度において,更に施設の設置・変更許認可手続きの簡素化や廃棄物保管量・保管期間の規制緩和等のメリットがある制度をお願いする。2)施設の設置・変更に関する許認可手続きの簡素化,迅速化円滑な施設整備及び操業効率化のため,施設の設置・変更に関する許認可手続きの簡素化及び迅速化をお願いする。3)マニフェスト返送期限及び廃棄物保管量・保管期間等の適用除外,もしくは規制緩和リサイクル目的の処理においては,効率的な操業を実施するため,廃棄物処理法のマニフェスト返送期限,廃棄物保管量・保管期間等の規制から適用除外する措置もしくは規制緩和の検討をお願いする。4)広域集荷のための制度整備効率的にリサイクルを推進するためには量の確保が重要であるため,広域的に集荷できるよう,主たる事務所の所在地を管轄する都道府県の許可のみで可とするようにされたい。また,地方自治体独自の流入規制の廃止を要望する。5)低品位スクラップ処理の拡大これまで海外に輸出していた雑品スクラップが国内滞留するようになったため,処理能力アップを図る必要がある。資源循環の観点からも,非鉄製錬事業者が受け入れる雑品については廃棄物/有価物の柔軟な解釈,判断をお願いするとともに,廃棄物/有価物の選別技術の開発や選別設備の導入を促進するための助成の導入を検討頂きたい。鉱山第785号2020年6月-32-