ブックタイトル鉱山2020年6月号

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概要

鉱山2020年6月号

1)河川法に関わる許認可の見直し河川法の取水認可手続きに関して,主要水系(1級河川等)において国及び自治体が水力発電による河川環境に与える影響の調査を進め,その調査結果を積極的に発電事業者に提供することを要望する。これにより設備容量に余力のある水力発電設備を有する発電事業者は許可取水量の増加申請に際し,調査内容を簡素化でき,手続きの簡素化と迅速化を図ることができる。取水量の制限方法として,瞬間的な1秒当たりの取水量ではなく,24時間の平均取水量で判断するよう許可取水量の解釈を変更することを要望する。2)自然公園法に関わる許認可新規水力発電所の開発を推進するにあたり,特別地域内(主に第2種,3種)における取水堰堤等の工作物設置,開発行為に関して審査基準(指針)の明確化並びに開示と手続きの迅速化を要望する。3)接続系統容量増強発電事業者が電力会社との系統連係に際して,系統容量の制限により発電出力の抑制を余儀なくされる事例があることから,国による系統増強を要望する。4)新規水力発電所建設投資への補助新規の開発候補地は山間奥地が多く,現地までのアクセス道路の建設や送電線への接続費用が多額となるケースが多い。このため初期投資費用に対する助成制度を要望する。3.環境・保安対策の充実(1)鉱害防止工事の早期終了1)省エネ補助金の有効活用「省エネ補助金」は,遅れている鉱害防止工事を推進するために必要な財源である。「省エネ補助金」が義務者存在鉱山にも使えるものとなるよう,1自治体の裏負担の財源の確保,2「省エネ対策工事」と「鉱害防止工事」判断の混乱の解消(例えば,「省エネ補助金」については,「鉱害防止工事」も義務者存在鉱山への補助対象化する等)についての検討をお願いしたい。2)自然災害への備え2019(令和元)年10月に襲来した台風19号の影響で,一部の鉱山において,停電,薬剤等の資材搬入に利用する道路の崩落が発生し,坑廃水処理施設の機能維持が困難となる事態が発生したが,経産省(鉱・火付鉱害防止班)及び所管産業保安監督部の方々の尽力もあり大事に至らずに済んだ。このことを受け開催された中央鉱山保安協議会で審議された指示を踏まえ,日本鉱業協会は「休廃止鉱山インフラレジリエンス強化に関する改善方針」を策定し,会員事業者に対し鉱山毎のアクションプランを作成しその実施を図るよう要請した。今後は,会員事業者の作成した改善策の作成と実施を確実なものとするためにその進捗のフォローアップを行って行くことが必要となるが,そのフォローアップに関し,国として適切な助言・支援をいただきたい。(2)坑廃水処理の終了,更なる坑廃水処理コストの削減2020(令和2)年度は第6次基本方針の検討が始まる。鉱業協会の休廃止鉱山専門委員会が中心となった勉強会において,第6次基本方針で目指す,注力すべき点は,1将来大きなコスト削減が見込める地下水制御技術の研究開発・技術確立と,2数多くある小規模事業所への水平展開や,成果の拡大が期待できるパッシブトリートメント(PT)と利水点管理を活用した小規模処理場の卒業と坑廃水処理の自動化・遠隔管理による小規模処理場の省人・省力化を強力に推し進めるべきであるとの結論鉱山第785号2020年6月-30-