ブックタイトル鉱山2020年6月号

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概要

鉱山2020年6月号

政策要望鉱業政策の強化確立に関する要望書2020年(令和2年)5月日本鉱業協会我が国非鉄金属産業の現況と課題―環境変化に対応した中・長期的事業基盤の強化を目指して―昨年度の世界経済は,米国の好景気が持続し,米国と各国との2国間貿易交渉が問題化,継続した。中国の経済は停滞,下降傾向が見え,内需の弱さが顕在化した。このような問題を一因として,世界規模での景況感の低下や,多くの国における政策の不確実性の高まりなどが広がっている。資源価格は昨年後半から低下傾向となった。さらには,年明けから世界的に拡散した新型コロナウイルスによる,経済に及ぼす広範囲かつ長期間で深刻な影響が懸念されている。保安関連では,ブラジルの鉱山堆積場の事故を発端として,各国の堆積場管理に目が向けられた。世界的な自国ファーストの動きは継続しており,資源ナショナリズムの高揚や,自動車EV化を見越した資源の囲い込みを行う動きが活発である。こうした中,我が国企業が資源を安定的に確保するための環境作りは非常に重要な課題である。我が国非鉄金属産業の現況としては,リサイクル資源は東南アジア各国の廃棄物輸入制限などにより国内還流の流れができてきた。しかしながら,電気料金の高止まりによる製錬コストの負担増,環境規制の強化,資源関係の人材確保難等の課題は継続している。このような諸課題を克服し,事業基盤の強化と持続的発展を図りつつ,資源の安定供給,循環型社会の構築・推進,地域経済社会の発展や雇用の確保など当業界に課せられた使命を確実に果たしていくためには,個々の企業が自ら最大限の努力を払うべきことは論を俟たないが,資源産業の特殊性などから下記の諸施策を柱とした政策的な支援が今後とも必要不可欠である。記1.資源確保のための支援策強化海外メジャーが探鉱を活発化させるなか,日本企業も資源確保に向けて海外資源開発を進める必要がある。そのための(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)や国際協力銀行(JBIC)などによるリスクマネー供給の強化・拡充を引き続き要望する。更に,資源ナショナリズムの高まりに対しては,我が国企業の資源開発プロジェクトを持続的に遂行できるよう,引き続き,資源保有国に対する資源外交の展開を要望する。-1-鉱山第785号2020年6月