ブックタイトル鉱山2020年6月号

ページ
19/54

このページは 鉱山2020年6月号 の電子ブックに掲載されている19ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2020年6月号

(2)循環型社会構築のための施策推進非鉄金属製錬がその工程において有価金属を含む廃棄物のリサイクルを行う場合,廃棄物処理法の適用を受ける事となるが,適正処理を確保した上でリサイクル推進を阻害しない法規制,運用のあり方が求められている。2016(平成28)年度に廃棄物処理法の5年見直しとして「廃棄物処理制度専門委員会」が開催された。その報告書の中に当協会が政策要望として掲げてきた点も含まれ,「優良な循環産業の更なる育成」,「廃棄物処理法に基づく各種規制措置等の見直し」,「地方自治体の運用」等が制度見直しの論点として盛り込まれた。廃棄物処理法については改正法が2017(平成29)年6月16日に公布され,その後,政省令改正の検討を経て,2018(平成30)年4月1日に改正法が施行された。しかしながら,見直しとして取り上げられた項目は「許可を取り消された事業者に対する措置の強化」,「マニフェスト制度の強化(電子マニフェスト化の推進)」,「雑品スクラップ対策」及び「自ら処理の拡大」であり,当協会の以下の要望は改正の対象とはならなかった。このため,引き続き,非鉄金属製錬業等の既存産業がリサイクルビジネスを行う上で,一層の効率的事業運営ができるよう諸制度の見直しをお願いする。1)産業廃棄物処理業の優良化の推進と優遇措置の拡大2011(平成23)年度に施行された改正廃棄物処理法では,従来の優良性評価制度に替わって優良産廃処理業者認定制度が創設され,処理業許可の有効期間を延長する特例等のメリットが付与された。更に施設の設置・変更許認可手続きの簡素化や廃棄物保管量・保管期間の規制緩和等のメリットがある制度をお願いする。2)施設の設置・変更に関する許認可手続きの簡素化,迅速化円滑な施設整備及び操業効率化のため,許認可手続きに要する書類を必要最低限のものに見直した上で,書式を統一する等,施設の設置・変更に関する許認可手続きの簡素化及び迅速化を図るようお願いする。3)マニフェスト返送期限及び廃棄物保管量・保管期間等の適用除外もしくは規制緩和リサイクル目的の処理においては,効率的な操業を実施するため,廃棄物処理法のマニフェスト返送期限,廃棄物保管量・保管期間等の規制から適用除外する措置もしくは規制緩和の検討をお願いする。4)広域集荷のための制度整備効率的にリサイクルを推進するためには量の確保が重要であり,広域的に集荷することが有効である。2011(平成23)年度に施行された改正廃棄物処理法では産業廃棄物収集運搬業許可の主体が都道府県に集約されたが,更に,主たる事務所の所在地を管轄する都道府県の許可のみで可とするよう要望する。また,地方自治体独自の流入規制の廃止を要望する。5)低品位スクラップ処理の拡大これまで日本から中国や東南アジアに輸出していた雑品が各国の環境規制強化により国内に滞留するようになったことから,今後日本国内での処理能力アップを図る必要がある。しかし,有価物を主に処理している非鉄製錬事業者は廃棄物処理業の許可を取得していないところもあるため,廃棄物として判断される可能性のあるこれらの雑品の処理に手を出しづらい状況にある。これらの雑品の中には有価物が含まれているものもあり,資源循環の観点からも,非鉄製錬事業者が受け入れる雑品については廃棄物/有価物の柔軟な解釈,判断をお願いする。-17-鉱山第785号2020年6月