ブックタイトル鉱山2020年6月号

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概要

鉱山2020年6月号

1)WTO「ドーハラウンド」への取り組み非鉄金属関税率のピークカットや平準化(ハーモナイゼーション)を要望する。2)EPA/FTAへの取り組みEPA/FTA等の二国間協定では非鉄金属関税の例外扱い,乃至最長のステージングを要望する。3)保護貿易政策への対応2018(平成30)年3月8日付米国大統領による米国輸入鉄鋼製品への関税賦課を実施されて以降,中国,韓国等から日本への亜鉛メッキ鋼板流入急増懸念が現実のものとなっている。既にここ数年亜鉛メッキ鋼板輸入量は増加傾向にあり,間接的に国内亜鉛地金の販売に影響が出始めている。従って,保護貿易政策は対象となる製品への直接的な影響のみならず,対象製品を使用する製品にも間接的な影響が及ぶことにも十分な配慮をお願いする。3.リサイクル事業環境の整備資源小国である我が国においては,資源確保の1つの方策としてリサイクルに今後一層注力していかなければならない。我々非鉄金属製錬業界は,長年培った選鉱・製錬の技術及び設備インフラを活用した有価金属の効率的な回収技術や高度な環境保全技術を有し,廃棄物,リサイクル原料から有価金属を安全に且つ環境を汚染することなく回収すると共に最終埋立処分量の削減を行っており,循環型社会構築に向けたリサイクル推進の担い手として社会に多大な貢献をしている。特に,国としても「使用済小型電子機器等の再資源化の促進」,「3R技術とシステムの高度化」,「国際的な循環型社会構築」に向けた取組みが進められている現在,我々非鉄金属製錬業界の果たすべき役割はますます重要となっている。業界もリサイクル技術のさらなる向上に取り組むが,今後も,安定的な物量を確保し,リサイクル事業の一層の進展と効率的な操業を可能とするため,以下のリサイクルシステムの整備,規制適正化の促進を要望する。(1)使用済小型家電リサイクル法の見直し小型家電リサイクル法は,関係者が協力して自発的に回収方法やリサイクルの実施方法を工夫しながら,それぞれの実情に合わせた形でリサイクルを実施する促進型の制度として2013(平成25)年4月1日に施行された。近年,中国の廃棄物輸入規制の影響による廃プラ処理コストの上昇や金属資源価格の変動,さらには人件費や輸送費の増加等により,使用済小型家電リサイクル制度を取り巻く環境は厳しさを増してきていることから,以下のとおり制度の見直しを要望する。1)品目の見直し小型家電のうち携帯電話,小型ゲーム機や音響・映像関連家電等には有価金属が比較的多く含まれているが,リビング機器等は含有する有価金属の割合が少なく原料というよりはむしろ廃棄物となるものも多い。よって,全ての小型家電を同じように取り扱うと事業性の低い回収物となってしまうことから,高品位有価物と低品位有価物に品目を分け,取り扱い方(集荷方法,コスト負担等)を変えることを検討することを要望する。2)コスト負担の仕組みの検討及び技術開発支援前述のように有価金属含有率の少ない小型家電は廃棄物扱いとなる他,小型家電から生まれる廃プラはミックス品で高度な選別が必要である。高度なリサイクルを実現するには,多大なコストがかかることから,他のリサイクル法同様,小型家電リサイクル法においても生産者や消費者負担となる仕組みの検討をお願いしたい。また,現状,高度な選別技術を有している認定事業者は限られていることから,選別技術開発の継続的な支援も併せて要望する。鉱山第785号2020年6月-16-