ブックタイトル鉱山2020年6月号

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概要

鉱山2020年6月号

展開を柱とし,地球温暖化対策を加速させることが必要となる。そのような中,当業界は,経団連の「低炭素社会実行計画」に参加し,CO2排出原単位の改善に着実な成果をあげ2020(令和元)年度および2030(令和12)年度目標を大きく達成していることを受け,2020(令和元)年度の見直し計画を前倒しで,2030(令和12)年度CO2削減目標を▲18%から▲26%に引き上げた。日本の産業技術競争力の根幹を担う当業界としては,不確実な状況はあるものの不断の決意で,省エネ施策の徹底と最新技術の導入などを図り,PDCAをしっかり回しながら継続的なCO2排出原単位削減をさらに推進する姿勢で臨む覚悟である。当業界として積極的に地球温暖化防止対策を推進する姿を公表することにもなり,非鉄金属製錬業界のプレゼンスを示し,地球温暖化対策と併せて,日本の産業技術の国際競争力向上への継続的貢献を図ることとしている。そのために,政府の地球温暖化対策に関する政策について,以下のとおり要望する。1)産業界の自主的取り組みの尊重当業界は,必死の省エネ努力を自主的取り組みとして継続することにより,CO2排出削減に関して着実に成果をあげている。温室効果ガスの削減目標に関しては,政策的に過度な上乗せ負担を強いることのないよう,今後もこのような産業界の自主的取り組みを尊重する施策を要望する。2)地球温暖化対策に関する政策的コスト負担の抑制温室効果ガスの削減対策は,企業活動に大きな影響を与えることから,経済成長との両立が不可欠である。当業界は,エネルギー多消費産業であり,特に東日本大震災後の高いエネルギー価格に直面しており,国際競争力を維持するために相当な省エネ努力を行っているにもかかわらず,地球温暖化対策税,FIT賦課金等によって多大なコスト負担を強いられ,事業存続の危機に直面している。このような事態を十分に配慮し,当業界の経済成長と国際競争力の維持・強化を阻害することがないよう,地球温暖化対策に関する経済合理性と政策的コストの負担を抑制する施策を要望する。3)原子力発電所の早期再稼働と運転期間の延長我が国の「2030(令和12)年度に2013(平成25)年度比26%削減」という目標達成には,原子力発電所の早期の再稼働と運転期間の延長が必須要件のひとつであることは言うまでもない。そのために,安全性の確保された原子力発電所の早期再稼働と運転期間の延長に向けて,政府及び与党には,国民に丁寧な説明をし,理解を得るよう更なる努力を要望するとともに,安全性が確保された原子力発電所の早期再稼働と運転期間の延長に関するプロセスを最大限加速する施策を要望する。4)省エネ技術に関する技術開発の推進及び創電・蓄電・節電設備等の導入支援我が国の約束草案で26%削減目標の基になっている2030(令和12)年度のエネルギーミックスは,経済成長を続けながら,最終エネルギー消費量を2013(平成25)年度比で5,030万キロリットル(石油換算)減らすもので,石油危機後に匹敵する大幅なエネルギー効率の改善が大前提となっている。そのために,省エネ技術及び創電・蓄電・節電設備の普及拡大が図られるよう,補助金等の支援制度を充実するさらなる施策を要望する。(8)非鉄金属関税の維持・存続非鉄金属製錬業は,国内鉱山閉山後の坑排水処理等の環境対策に大きなコスト負担を強いられており国際競争力上ハンディキャップを負っている。また,我が国の非鉄関税は既に国際水準から見て低水準にあり,その維持・存続を要望する。-15-鉱山第785号2020年6月