ブックタイトル鉱山2020年4月号
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鉱山2020年4月号
要請したいと存じます。第三の課題は「リサイクルによる持続的な循環型社会の構築」です。当業界は長年にわたり産業廃棄物の無害化および非鉄金属のリサイクルに取り組み,近年は取扱品目の拡大を図りながら,持続的な循環型社会推進の担い手として,社会に多大な貢献をしています。わが国が有する効率的な有価金属の回収技術や高度な環境保全技術はグローバルな面でも重要な役割を果たしております。一方で使用済み鉛蓄電池輸出時の審査厳格化を目的とした2017年度の省令改正や,2018年度の改正バーゼル法の施行に行政と連動して取り組んでまいりました。これにより使用済み鉛蓄電池については日本の環境基準と同等の基準を満たしていない処理先への輸出が承認されなくなり,国外での環境汚染を防ぐとともに,国内での非鉄金属資源の適正循環が確保されました。今後も国や自治体と連携し,日本国内における鉛製錬,亜鉛製錬,銅製錬から成る再資源化ネットワークの維持・拡大,より適正なリサイクルシステムの整備・構築に,これまで以上に取り組んでいきたいと考えております。第四の課題は「人材確保と育成の強化」です。当業界は,国内鉱山の相次ぐ閉山と大学等での資源関連カリキュラム減少に伴い,資源開発分野での人材不足が顕在化しております。資源系の中堅教員層の減少,資源開発・製錬分野への学生の関心の低下に加え,少子化による学生そのものの減少も重なり,人材育成と確保をめぐる状況は依然として深刻な状況にあります。資源開発,製錬分野における持続的な発展を遂げるためには,人材の確保と育成が喫緊の重要課題となっています。近年は一般財団法人国際資源開発研修センターを通じた人材育成事業の拡充,秋田大学,高知大学における資源系教育が可能な学部の設置,JOGMECの地熱資源開発研修の開催,科学技術館における小中学生を対象とした非鉄金属業界をPRする「Metal Factory」の開設や実験教室の開催,経団連の下部組織である経済広報センター主催の「企業人派遣講座」への講師派遣など,当業界が魅力ある産業であることを認識してもらえるよう産学官連携による人材確保,育成強化に取り組んでまいりました。次世代を担う人材確保と育成のために国や関係機関による支援も要請し,引き続き努力してまいりたいと考えております。このほか,安全対策の推進,低炭素社会実行計画の推進,地熱エネルギーなどの国内資源の開発促進,鉛・亜鉛等の特性を活かした新たな需要分野の開拓,スラグ等副産品の用途拡大,環境・保安対策の充実等について引き続き取り組んでまいります。これらの課題は企業活動に求められるSDGsやESGに繋がるものであり一つ一つ地道に対処してまいりたいと考えております。これから1年間,会員各社のご理解とご協力をいただいて,これらの諸問題に全力をあげて取り組んでまいる所存ですので,関係各位のご指導とご支援を重ねてお願い申し上げて,私の就任のご挨拶とさせていただきます。以上-3-鉱山第784号2020年4月