ブックタイトル鉱山2020年2月号
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鉱山2020年2月号
写真1九州工業大学にて集合写真い。横野先生の研究室では酸化・還元を起こす場所を分ける技術を開発した。具体的には酸化チタンを結晶化させ還元反応を起こさせる場所は(110)にPtを付着,酸化反応を起こさせる場所は(111)にPbO 2を付着させた。このように反応する場所が分かれた酸化チタン触媒を使ってアセトアルデヒドの分解を行ったところ市販品の数倍性能が上がったとのことであった。また光触媒の性能を発揮させるためには紫外線が必要であるが,室内光でも性能を発揮するように硫黄添加酸化チタン光触媒や金属修飾型酸化チタン光触媒の開発も行っている。原理としてはこれらの不純物がバンドギャップ内に準位を作り,この不純物準位を介して遷移が行われることで紫外線(350nm)の波長でなく,室内光(420nm)でも光触媒反応が起こっているのではとのことであった。またこの硫黄ドープ酸化チタンは「ピュアコートV」という商品名で高機能内装用コーティング剤として販売されており,抗菌,防カビ,防臭,抗ウイルスなどの用途に使われているとのことであった。3.トヨタ自動車九州株式会社宮田工場トヨタ自動車九州は1991年2月,トヨタにとって国内初となる愛知県以外の車両生産拠点として,福岡県鞍手郡宮田町(現・宮若市)に設立された。宮田工場は南北約2 km,東西500~700mありヤフオクドーム16個分の敷地面積に完成車写真2トヨタ自動車九州株式会社宮田工場にて集合写真の一環生産を行うためプレス,溶接,塗装,組立の各工場を持ち,生産能力は年産43万台(2/7時点1729台/日)である。宮田工場はトヨタの高級車ブランド・レクサス専用ラインを備える工場である。工場見学はPR館スタッフの武井すみれ様にご同行いただき,まずバスで工場外周を一周した後,組立工場の見学をさせていただいた。工場はオフホワイトを基調としており,塗装工場にある黄色い排気塔は宮田工場のシンボルマークとなっていて,汚れやすい黄色にしている理由は環境を大切にしている取り組みを示すためであるとのことであった。今回は組立工場の見学ルートに沿ってご案内いただいた。車の生産工場としてはかなり静かであるとの印象であった。組立工場ではベルトコンベアー式に車が流れてきて,組み立てをする車は色や車種がまちまちであったが,後で生産の順番はオーダーが入った順番で決まっていると伺った。車を構成する部品はおよそ3万点。その内,組立工場で組み付ける部品の数はおよそ6500点とのことであるが,これを間違えないように一台ごとに生産指示紙が貼ってあり,車の屋根にもIDタグがあり,人の目と機械の両方で確認できたり,不具合が起きた際には呼び出しひもを引っ張ることで生産ラインを止め,作業リーダーに知らせて不具合を解消させるなど,品質管理を重視した生産ラインを構築しているという印象を受けた。鉱山第783号2020年2・3月-31-