ブックタイトル鉱山2020年2月号

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概要

鉱山2020年2月号

部会報告(新材料部会)現地研究会見学記九州工業大学トヨタ自動車九州株式会社宮田工場株式会社安川電機中間事業所古河機械金属株式会社技術統括本部新材料開発部松枝敏晴1.概要今回の新材料部会現地研究会は,2月6日に九州工業大学を訪問し,翌7日は貸し切りバスで移動しトヨタ自動車九州株式会社宮田工場および株式会社安川電機中間事業所を訪問した。九州工業大学では今回の企画をアレンジしていただいたイノベーション推進機構グローバル産学連携センター産学連携部門長の本多信幸准教授から今回のご講演に基づく情報交換により当協会各企業と九州工業大学との共同研究等に発展していければとのご挨拶を頂き,続いて,4名の先生方から各研究テーマについてのご講演を聴講し,質疑応答を行った。翌日のトヨタ自動車九州㈱宮田工場では高級車レクサスの組み立て・検査について工場見学をしながら説明を受け,最後に㈱安川電機中間事業所を訪問し,大型ロボットの生産工場を見学した。今回の現地研究会参加者は7名であった。2.国立大学法人九州工業大学九州工業大学は福岡県北九州市にある国立大学で1909年に私立明治専門学校として開校。1921年に官立に移管。1949年に国立九州工業大学として設置された。ちなみに安川電機創始者である安川敬一郎氏はこの明治専門学校の設立にも携わったということを翌日の安川電機訪問時に伺った。イノベーション推進機構グローバル産学連携センターは国際・研究推進戦略部門,産学連携部門,技術移転部門,知的財産部門からなり若手研究者の連携や特徴的な研究活動を重点支援し,研究力を組織的に強化するほか,企業等のニーズと大学のシーズのマッチングや産学官金の連携を推進しており,学内の研究支援から産学連携までワンストップで対応している。また今回お世話になった産学連携部門は「産学官金連携事業の企画及び実施」「民間機関等との共同研究および委託研究推進並びに外部資金の獲得」「民間機関等からの技術相談対応,学術研究情報の提供」を主な業務としており,産学連携の推進を担っている。今回は九工大の研究テーマの中から当協会と関係ありそうなテーマをピックアップしていただき,当部会でアンケートを取り,聴講したいテーマを投票したうえで,4人の先生方にご講演をお願いした。2-1.工学研究院電気電子工学研究系電気エネルギー部門今給黎明大助教「Niメッキ接合パワーモジュールの性能評価および非接触給電の研究動向」高電流密度で動作させるパワーデバイスは放熱技術が重要となり,デバイスのみならず実装技術の高耐熱化への要求が高まっている。SiCやGaNのデバイスは高温での動作が可能であることから,実装技術の高耐熱化が期待されている。従来は銅線とSiCデバイスとの接合には「はんだ」が用いられていたが,今給黎先生の研究テーマでは,「はんだ」に代わり,耐腐食性もあり安価で,融点が1460℃と高耐熱が期待でき,数十度の低温で接合が可能なNiメッキ接合の利点鉱山第783号2020年2・3月-29-