ブックタイトル鉱山2020年2月号

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概要

鉱山2020年2月号

政策動向2020(令和2)年度税制改正について(税制改正大綱の概要)日本鉱業協会総務部2020(令和2)年度税制改正大綱は,2019(令和1)年12月20日に閣議決定された。以下に,当業界に特に影響のある項目について,その概要を記します。なお,今後の国会における改正法案審議の過程において,一部項目の修正・削除・追加などが行われる可能性があることにご留意ください。Ⅰ2020(令和2)年度税制改正の基本的な考え方持続的な経済成長の実現に向け,オープンイノベーションの促進及び投資や賃上げを促すための税制上の措置を講ずるとともに,連結納税制度の抜本的な見直しを行う。さらに,経済社会の構造変化を踏まえ,全てのひとり親家庭の子どもに対する公平な税制を実現するとともに,NISA(少額投資非課税)制度の見直しを行う。このほか,国際課税制度の見直しや,所有者不明土地等に係る固定資産税の課題への対応,納税環境の整備等を行う。Ⅱ各税制の概要(法人課税,消費税)1.鉱業関連税制今年度は海外投資等損失準備金制度及び金属鉱業等鉱害防止準備金制度が適用期限を迎えた。結果はそれぞれ次の通り。(1)海外投資等損失準備金制度海外投資等損失準備金制度の適用期限が,2年間延長された。(2)金属鉱業等鉱害防止準備金制度金属鉱業等鉱害防止準備金制度は,適用期限(令和2年3月31日)をもって廃止されることになった。ただし,現行法の損金算入割合(準備金積立額の80%)を1年ごとに10%縮減する7年間の経過措置が設けられた。2.連結納税制度の見直し(グループ通算制度への移行)企業グループ全体を一つの納税単位とする現行の連結納税制度に代えて,企業グループ内の各法人を納税単位として,各法人が個別に法人税額の計算及び申告を行いつつ損益通算等の調整を行う「グループ通算制度」が導入される。現行の連結納税制度における損益通算等の基本的な枠組みが維持されるとともに,通算グループ内の他の法人において修正・更正があった場合も,その他の法人は不当に税負担を減少させると認められる場合を除き,当初申告時の所得金額又は欠損金額に固定される。開始・加入時の時価評価課税・欠損金の持込み等について組織再編税制と整合性がとれた制度にすることで,時価評価課税や繰越欠損金切り捨ての対象が縮小される。また,研究開発税制,外国税額控除制度については,現行制度と同様,グループ全体で税額控除額が計算される。グループ通算制度は,令和4年4月1日以後に開始する事業年度から適用が開始され,現行の連結納税制度からの移行に関する経過措置も講じられる。3.グループ通算制度への移行にあわせた個別制度,単体制度の見直し(1)受取配当等の益金不算入制度/外国子会社配当等の益金不算入制度-14-鉱山第783号2020年2・3月