ブックタイトル鉱山2020年2月号

ページ
12/48

このページは 鉱山2020年2月号 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2020年2月号

2019年度日本鉱業協会賞No.4(製錬部会推薦)佐賀関製錬所における自溶炉セットラ更新についてパンパシフィック・カッパー株式会社佐賀関製錬所丹尾優太パンパシフィック・カッパー株式会社佐賀関製錬所永戸敏博パンパシフィック・カッパー株式会社佐賀関製錬所小川勤パンパシフィック・カッパー株式会社佐賀関製錬所洪在亨功績の概要佐賀関製錬所自溶炉は,銅精鉱S/Cu上昇に対応するため,段階的に生産能力を引き上げてきたが,自溶炉の溶湯保持部であるセットラは,一部を除いて建設以来未更新で40年以上が経過し,炉体の膨張・変形が進行していた。また,現在銅精鉱中の銅品位低下の対策として自溶炉精鉱処理増強を計画しており,更なる熱負荷増加に対応していく必要が生じていた。そこで,2017年9月~12月の間の76日間にて自溶炉セットラ更新を実施した。自溶炉セットラ更新の設計方法は,以下のとおりである。1.炉床が熱膨張した際の応力を水平・垂直方向のスプリングで最適保持2.側壁に冷却能力の高い水冷ジャケット設置3.フレームを極力コンパクト化し,炉内容積を最大化4.バックステー毎に変位計を設置し,炉体の膨張収縮を連続的に監視5.炉底から積極的に抜熱する炉底空冷システムを採用実施時期平成29(2017)年9月~12月成果1.銅精鉱処理能力増強自溶炉セットラ更新により,銅精鉱処理能力アップ(1時間当たり210t→225t)が達成され,2019年には能力をさらに増加する計画である。2.スラグロス低減自溶炉の溶湯保持面積増により,スラグの炉内滞留時間が16.7%増加し,スラグロスを11%程度低減することができた。鉱山第783号2020年2・3月-5-