ブックタイトル鉱山2020年2月号

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概要

鉱山2020年2月号

2019年度日本鉱業協会賞No.2(資源部会推薦)大霧発電所における蒸気の長期安定生産に向けて霧島地熱株式会社生産部幕内歩霧島地熱株式会社生産部久保明広霧島地熱株式会社生産部会沢辰介日鉄鉱業株式会社資源開発部樋口聖日鉄鉱業株式会社資源開発部髙山純一功績の概要大霧発電所は,1996年3月に運転を開始した定格出力30,000kWの地熱発電所であり,発電部門は九州電力株式会社が,蒸気供給部門は日鉄鉱業株式会社が担当し,その操業は,霧島地熱株式会社が行っている。このタイプの地熱発電は,地下に賦存する高温・高圧の地熱流体から取り出す地下水蒸気を利用して蒸気タービンを回転させて発電するが,多くの地熱発電所において蒸気生産量の確保が課題となっており,その原因については個々に事情が異なり,その状況に応じて対策が取られている。大霧発電所は,霧島錦江湾国立公園内普通地域内の霧島火山群西側山麓に位置する銀湯断層及び大霧深部断層群№1,2,3を主たる地熱貯留槽として操業を行っている。№2断層の西方延長部は,1999年以降主要な還元ゾーンである。大霧発電所の蒸気生産は,運転開始から10年程度は銀湯断層のみで定格出力に必要な蒸気量を生産してきたが,徐々に同断層の生産能力低下が進行し,それを補うべく大霧深部断層群№1,2,3への補充生産井A6~A9の掘削を順次実施した。しかし,還元熱水の影響により,安定的な蒸気確保ができないため,以下の対策を実施した。1.地上設備への対策:坑口圧力の低い生産井(A8,A9)をより長く操業させることを目的とした配管の圧力損失を低減させる配管切替工事2.坑井への対策:生産井A9の坑内温度低下部を二重管化することで断熱し温度低下を抑制する坑内改良工事3.貯留槽への対策:生産ゾーンの温度低下抑制を目的とした生産ゾーンから距離を離した補充還元井D6掘削工事実施時期平成28(2016)年7月~平成31(2019)年4月成果1.配管切替工事の結果,A8については2週間以上,A9については1年以上の操業活用が可能となった。2.A9坑内改良工事の結果,温度低下抑制効果を温度検層により確認(生産井A7と同時のA9操業活用を1年以上継続)3.補充還元井D6の利用により,既設の還元井より1週間以上の生産ゾーンへの影響の遅延が認められた。今後は,上記3貯留槽への対策に注力し,安定した蒸気生産を目指す。鉱山第783号2020年2・3月-3-