ブックタイトル鉱山2020年1月号

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概要

鉱山2020年1月号

部会報告(新材料部会)新材料部会現地研究会見学記信州大学先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所富士通インターコネクトテクノロジーズ株式会社長野本社シチズン時計マニュファクチャリング株式会社ミヨタ佐久工場DOWAホールディングス株式会社技術部門藤田哲雄1.概要今回の新材料部会現地研究会は,11月21日に長野駅に近い信州大学を訪問し,翌22日は貸切小型バスで移動し富士通インターコネクトテクノロジーズ株式会社長野本社およびシチズン時計マニュファクチャリング株式会社ミヨタ佐久工場を訪問しました。信州大学では先鋭材料研究所の所長である手嶋勝弥教授から研究所の概要をご説明いただいた後,ウェアラブルナノ材料研究部門長の木村教授から「高分子機能材料の開発」,研究所副所長,低次元マテリアル研究部門の杉本教授から「次世代エネルギーマテリアルとしてのナノシートの可能性」,カーボン科学研究部門の林教授から「基盤分析・高度解析部門と連携したナノ炭素材料の研究」,そして手嶋教授から「フラックス結晶研究部門の研究開発」の各研究テーマについて説明を受け,質疑応答も交えて活発な議論を行いました。翌日の富士通インターコネクトテクノロジーズ㈱長野本社では高多層基板について説明を受け,その製造フローの設備を見学しました。最後にシチズン時計マニュファクチャリング㈱ミヨタ佐久工場では腕時計の製造プロセスについて説明を受け,その製造フローである回路・コイル・ムーブメント組立・アッセンブリについて工場見学をしながら説明を受けました。今回の現地研究会参加者は10名でしたが,1日しか参加できなかった方があり,1日目の参加者は9名,2日目の参加者は8名でした。2.国立大学法人信州大学先鋭材料研究所信州大学は,松本医科大学,旧制松本高等学校,長野師範学校,長野青年師範学校,長野工業専門学校,上田繊維専門学校,長野県立農林専門学校が統合されて出来た大学で,設立から70周年を迎えています。その中の先鋭材料研究所(Research Initiative for Supra-Materials;略称RISM)はPrincipal Investigator(PI)制度を採用しており,5名のPI,3名の特別特任教授を中心に尖った研究をしています。RISMは統合型industrial materials scienceの推進を掲げ,計算科学,化学工学,先端計測/解析をプラットフォームに据え,材料研究に強みをもつ研究者を集め,研究資源を集中しています。フラックス結晶・低次元マテリアル・有機・無機ハイブリッド材料・カーボン材料・基盤分析・連携研究の研究部門を運営しているとの事です。また,産学連携に焦点を当て,国内ではクロスアポイントメント制度を採用し,NIMS・東大・東京理科大・名古屋大と連携したり,海外とは特別招へい教授制度を設けて著名な研究者と連携しているとの事です。社会実装を目的とした研究開発の例として,アフリカをターゲットにした飲めない水を飲めるようにするアクアイノベーションの推進や,様々な要素技術を組み合わせてLiイオン全固体電池の活物質の開発などがあるということです。今回は4名の先生(PI)から各研究部門の取り組みについて説明をいただきました。-56-鉱山第782号2020年1月